頭文字Dの高橋涼介的思考 #4
秋葉原駅の始発ホームには、メインの待機列とは別にサブの待機列がある。しかし、一部にはそのサブ列からメイン列の先頭より先に乗り込もうとする者がいる。
だが、それは目先の一歩を得しただけに過ぎない。
本当に重要なのは、ルールを理解し、流れを読み、自分の立ち位置を見極めることだ。焦りから前へ出る者は、一度は席を取れても、周囲からの信頼は失う。
勝負はドアが開いた瞬間ではない。並び始めた時点で、すでに始まっている。
しかし、そんなアンフェアなやり方には素直に頷けない。
ルールが存在する以上、それを守る者が不利益を被るようでは秩序は成り立たない。
左の列から前へ出ようとした相手より一瞬早く体を入れ、本来あるべき乗車順へと修整した。相手を押しのけたわけではない。ただ、乱れた流れを元に戻しただけだ。
公平とは、誰かを優遇することではない。誰もが同じ条件で勝負できる環境を維持することだ。
目先の一席を奪うために流れを乱す者と、その流れを守る者。結果は同じように見えても、その思考には決定的な差がある。
勝負は、ルールの中で勝つからこそ価値がある。
──頭文字Dの高橋涼介なら、こんなふうに分析するだろうな。
