バンコク幻想〜水の記憶
タイは熱帯性気候です。年間の平均気温は約29℃で、バンコクでは一番暑い4月の平均気温が35℃、一番涼しい12月の平均気温が17℃です。季節は11月~2月の乾期、3月~5月の暑期、6月~10月のグリーン・シーズン(雨期)があります。 王宮周辺は、チャオプラヤー川と運河に囲まれたラッタナコーシン島(コ・ラッタナコーシン)と呼ばれる旧市街で、バンコクの発祥の地。荘厳かつ華麗な王宮をはじめ、街のいたるところに由緒ある仏教寺院の黄金に輝く伽藍を見ることができます。(出典:タイ国政府観光庁)
間:
水の記憶に浮かぶ街
熱は皮膚の上にあるのではなく
服の内側から
こちらを着てくる
午後の雨は
空の事情で落ちるのではなく
たまりすぎた水が
いちどに街へ帰ってくるようだ
川と運河に囲まれて
この低い土地そのものが
蜃気楼のように揺れている
GPT:
王宮の黄金は
湿気をまとって
ゆっくり燃えている
祖父はそれを見ただろう
寺院の屋根の反りは
祈りのかたちというより
熱を逃がしきれない空気が
行き場を失って反り返ったようだ
祖父はそれを見ただろう
ここでは
風さえも乾いていない
遠くから来た命令も
銃も靴音も
まずはこの湿り気を
くぐらねばならなかっただろう
間:
この街に
祖父はどんな思いでやってきたのか
戦いが待ち受ける
それが徴兵されたものの覚悟
戦う
つまり
人を殺す
その気がなくても
殺されるわけにはいかない
秋田の涼しい空気と
バンコクの湿った熱気
その差に戸惑いつつ
祖父はべつの人間になったのかもしれない
GPT:
けれど
それでも
子を持つ親だった
人を殺す者であり
娘の入学を思う者
それが
ひとつの身体に同居していた
間:
銃を持たされれば人は変わる
おそらく
ぼくだって
