蝶を焼く
[連詩]
間:
市街戦を避けるため
おれたちはベースに火を放って
落ちていった
つり橋を渡りきって落とせば
やつらは
そこで足止め
渓谷をぐるりと回り込めば
それで二日は無駄にする
しばらく平安は保たれる
次のベースを造営して
そこで態勢を立て直す
GPT:
火は思ったより早く回った
資材庫から燃え
寝台に移り
通信棟の窓を赤くした
間:
雑役夫のリリイはぐずった
蝶がみんな焼け死ぬじゃないか と
おれは言った
おまえが焼け死ぬのとどっちがいい?
リリイはしばらく黙って
一緒に死ぬ
とつぶやいた
GPT:
火の勢いは
増した
空の馬房も
焼け落ちた
間:
蝶ってどうやって数えるか知ってるか?
おれは聞いた
リリイは首を横に振った
一頭二頭って数えるんだよ
じゃあ馬と同じ?
そんなのおかしいよ
でも本当なんだ
リリイとおれは
どうやって数えるんだろう
おれとおまえで二頭かな
ちがうよ
あたしたちは馬とはちがう
あたしとあんたで二人だよ
そう
おれたちは馬でも蝶でもない
だから行くぞ
蝶のことは忘れるんだ
つり橋を落として
おれたちは振り返った
やつらが地団駄を踏んでいる
自慢のガトリング砲も
ここまでは届かない
やつらの向こうで
集落が燃えている
その中に
無数の蝶が
燃えながらはためいているのが
確かに見えた
馬上で静かに
リリイが涙を流した
