見出し画像

古いカバン

[連詩]
間:
どうしても必要なものは
実はそれほどない
ぼくの部屋は
いらないもので満ちている
捨てればいいだけなんだけどね
それもなんだかめんどくさい
だからひとまず
この部屋から離れることにした
持ち物は古いカバンひとつですんだ
なにも考えずに外に出て
あてもなく駅をめざす

もう
行き先の決まった旅はしたくない
といって
行きたいところがあるわけじゃない
もちろん
同じところに留まるのも飽きた
GPT:
駅前の噴水は
昨夜から逆さまに流れ
衛兵はあくびを噛み殺す
間:
目的を持ってそこに立つ夜警まで
心の底から退屈なのだ
たぶんどこに行ってもムダなのだと思う

気がつくと誰もいなくなった
みんな行き先が決まったのか
どこにも行かないことを決めたのか
どっちにしてもここからは一人
いっそ気分がいい
GPT:
なにを決めるのも
決めないのも自由
人に決められる日々は終わった
間:
身軽がいい
すべて置いてきた
着替えと歯ブラシ
ヒゲソリと本が三冊
長い時間をかけて
いろいろなものを蓄えてきた気になっていたけれど
はっきりいえば
だいたいがガラクタだった

最初に来た電車に乗ろう
ついた駅でも
来た電車に乗る
どんなにジグザグな旅になったとしても
自分からは逃げられない
だから
どこに行くかなど
なんの意味もない
GPT:
ついたところが
その日の場所だ
名前は
あとで考えればいい

いいなと思ったら応援しよう!