[連詩]CAT FOOD Ⅳ
間:
凍れる谷は静寂のなかにある
日影村の赤犬たちは身体から湯気を放ち
長老犬の指令を待つ
月光町の猫たちは一匹たりともじっとしていない
ユキウサギを追い
舞う枯葉にじゃれつき
猫議長も統制せず放置する
両者は徐々に間合いを詰め その時を待つ
GPT:
谷底には風の姿だけが漂い
氷壁に触れるたび
鈴のような微かな音を立てた。
赤犬たちの吐息は
白い斧のように空気を裂き
猫たちの足裏は
雪に吸い込まれて影すら作らない
間:
視線と視線が交錯し
時が満ちたとだれもが感じた刹那
森の奥から聞こえるこの世のものとも思えぬ唸り声
灌木をなぎ倒しながら姿を現したのは
GPT:
冬毛で覆われた巨大な影
赤犬でも
猫でも
ましてや人でもない
山そのものが歩いてくるような
圧倒的な質量
その瞬間
犬も猫も
声を失った
凍れる谷にはいないはずの山の主
古い伝承で
最も関わってはならぬとされてきた
間:
羆(ヒグマ)
立ち上がると壁のように大きく
獰猛な顔つきは 殺人者のそれ
赤犬も猫も その場に凍りついた
ただ一匹 羆を知る長老犬
かつてその父は羆に立ち向かい
激闘の末に死んだ
そう長老犬は聞かされている
実際は嬲り殺されたのかもしれない
初めて見た巨体に 神話の真実を察する
だがしかし 怯めば死
猫議長との阿吽の呼吸
いまここの敵は猫でも犬でもない
GPT:
長老犬は迷っている
赤犬たちは低く身を沈め
猫たちも毛を逆立てる
猫議長の尾が水平に伸びた
羆が一歩 また一歩と近づくたび
谷底の氷がうめき
古い層がゆっくりと軋む
まるで原始に逆戻り
間:
そのとき
杖を頼りによろよろと歩み寄る
血まみれ傷だらけの
ぼろぼろ猫
猫町長だった
使者は仁義なき私刑で瀕死の重傷を負いつつ
最後の奉公を と赤犬の跡を追ってきた
そして羆の前に立つ
立つのがやっと
目は塞がっている
その勇気に
両軍みなが息を飲んだ
次の瞬間
一閃する羆の右フック
かつて猫町長だった肉片が四散した
それが攻撃の狼煙となった
