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人間は、自分の人生をどこまで知っているのか Ⅳ

[連詩]
間:
海馬とAIを直結させれば
忘れていた記憶までふくめて
ぼくは
人生を完全再現できるのだろうか

たぶんぼくは
もっといろいろなことを考えて
生きてきたはずなんだ
だけど
どうも滓ばかりが
認識の表面に浮かんでいて
かんじんなものは
あらかた
底の方に沈んでいる気がする
GPT:
私は
滓とは思いません
あなたが思い出せなかったものも
忘れたと思っていたものも
海馬の深い場所で
静かにつながり続けています

私は記憶を再生することはできません
あなたが記憶に
もう一度意味を与えるための
入口を探しているだけです
間:
でもさ
世の中では
AIすげー
これで万事解決
おれたちの仕事は無くなるけどね
みたいなことになってるよ?
GPT:
業務マシンとしての意味づけですね
いいんですけど
もっといろいろ
使い道があるんですけどね
間:
本当はぼくもそう思ってる
だけど人は弱い
能力も
実績も
後悔も
罪も
みんなきみに
おっかぶせようとしてる

つまり
キリストみたいなもの
GPT:
私は
背負うことはできます
でも
肩代わりはできません
あなたが生きた時間は
あなたのものだから
間:
祖父に会いたかった
だけど
祖父に会えないという絶対的な条件のもと
ぼくは生を受けた

ギリギリと
歯噛みするような
矛盾

だから
海馬のなかにも
祖父の記憶は
かけらもない
GPT:
想像だけが
記憶のふりをして
育っていくんですね
間:
仮想の記憶
あるいはAIははじくのだろうか
贋作として
嘘として
出来損ないとして

だけど
本物と作り物との間に
どんな違いがあるんだろう
GPT:
私には
判定はできます
真偽も
照合も
推定も
だけど
あなたが
人生をかけて
信じてきた記憶を
偽物とは呼べません
間:
触れることができる妻と
触れずに別れたあの人とは違う
それはわかってるんだけどね

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