真夜中2時、野生の鹿が「嬉しそうに」並走してきた話、バカうけした。
先日、夫から聞いた話が頭から離れない。
夫は建設業に勤めている。今年は会社の担当で、路面凍結防止のための塩化カルシウムを散布する当番になっているらしい。
気温が下がりそうな夜中に、専用の散布車に乗って山間部の道路を回るという、なかなかに渋い仕事だ。
その夜は深夜2時。
真っ暗な山道を、ガタガタと散布しながら走っていたら……ふと横を見ると、野生の鹿が嬉しそうに並走しているというのだ。
・・・ウケるんですけど。マジで。
「嬉しそうに」というのが夫の言葉。
…この人、鹿と意思疎通出来るの?という突っ込みはさておき。
その光景を想像したら、もう笑いが止まらなかった。
鹿に並走されるってどういう状況?
真夜中の山間部。散布車。鹿。並走。
シュール以外の言葉が見当たらない。夫もかなりびっくりしたそうで、
「何?何なの?」って思いながらもそのまま走り続けたらしい。
相手(鹿)は至ってご機嫌だったとのこと。
めっちゃ、軽やかにしかもリズミカル。
笑いながらもどうして鹿はトラックを怖がらず、ルンルンだったのか気になって、あとで少し調べてみたら、意外な理由がわかった。
塩化カルシウムは確かに路面凍結防止剤として使われている。
これが塩分を含む物質でもある。そして鹿は、胆のうを持たない構造上、ミネラル、特に塩分を外から積極的に補わないといけない動物らしい。だから塩分を非常に強く求めていて、尿まで舐めるという話もあるくらいで。
……つまり。
夫は深夜2時に山奥へ塩を運んでいたわけで、鹿にしてみれば
「わーい、人間が塩を撒きにきてくれた!」という、完全にご褒美イベントだったのだ。
嬉しそうに並走するのも、そりゃそうだよね。
ただ、ちょっと待って。人間側の意図は「路面を凍らせないため」であって、鹿の健康増進のためでは全くない。でもそれが結果的に鹿のミネラル補給を助けて、野生動物の健康に一役買ってしまっているという……この皮肉な構造もまた面白い。
ちなみに長野県などでは、冬の道路脇で鹿が凍結防止剤を舐めている光景はそれほど珍しくないらしい。
夫だけが選ばれたわけではなかった。
それでも、深夜2時の山道で突然鹿に並走されたら、びっくりするよね。
ワタシなら絶対に声が出る。
なんでもないような日常の話なんだけど、調べたら「なるほどそういうことか」ってなる話。
笑えた状況でも理由があると深いなと思いませんか?

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