【フフン賞】#毎週ショートショートnote
町内会に、奇妙な賞がある。
その名も「フフン賞」。
由来は不明だが、毎年一人だけ表彰される。
表彰状にはこう書かれている。
――「なんとなく鼻で笑いたくなる功績をたたえて」。
今年の候補者は三人だった。
一人目は、町内の自販機の当たりを三回連続で引いた男。
二人目は、カラスに三ヶ月間ずっと帽子を狙われ続けた主婦。
三人目は、リモコンを探していたら冷蔵庫から見つけた会社員。
どれも微妙だが、確かに「フフン」と言いたくなる。
審査の結果、受賞したのは三人目の会社員だった。
会場からは、控えめな拍手と、ちょっとした鼻笑い。
壇上に上がった彼は、誇らしげに表彰状を受け取った。
「正直、もっとすごい賞を狙ってましたが……」
そして一度、鼻で笑った。
「フフン」
その瞬間、会長がマイクを握った。
「おめでとうございます。今のが決め手です」
実はこの賞、功績ではなく――
一番うまく「フフン」と言えた人に贈られるのだった。
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