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和歌ゲーム #毎週ショートショートnote
目を覚ますと、私は薄暗い畳の上にいた。
周囲には同じように目を覚ました十二人。全員、白い着物に烏帽子。部屋の中央には巻物が置かれていた。
「和歌で命を詠め。詠み損ねれば、散るのみなり」
誰かの声が響く。
ゲームの名は『和歌ゲーム』。
テーマに沿って和歌を詠まなければならない。
判定はAIだという。風情のない話だ。
第一の題:「散る桜」
「花は散り 命もまたぞ はかなけれ 春の嵐に 願い託して」
男が詠み終えると、鐘が鳴り、障子の奥から拍手が聞こえた。合格だ。
次に詠んだ女の和歌は、どこか字余りで、言葉も薄っぺらかった。
鐘は鳴らなかった。代わりに、天井から太い筆が下り、女の頭に墨を落とした。次の瞬間、静かに倒れた。
詠まなければ、死ぬ。
美しくなければ、生きられない。
私の番が来た。
「散ることを 恐れし心 まだ浅く 命の句読点 今ぞ打つとき」
字余りだ・・・
鐘が鳴った。命拾いだ。
次の題は、「裏切り」。
このゲーム、ただの文芸じゃない。「言葉が人を殺す」ゲームなんだ。
[429字]
たはらかにさんの企画「#毎週ショートショートnote」に参加させていただきました。
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