消しゴムから始まる恋3



神戸高校の合格発表。

二人とも合格だった。

学校へ続く坂道。

地獄坂。

坂の途中で立ち止まる。

神戸の街と海が見える。

貴夫が言う。

「優乃」

「なに?」

「好きや」

私はうなずく。

「私も」

春の風が吹いた。

地獄坂の途中で、

てをつないで帰った。

高校生活。

貴夫はサッカー部で忙しい。

私はLINEを送る。

「今日の練習どうだった?」

スマホを見る。

既読。

返信はない。

もう一度見る。

やっぱり、ない。

私はスマホを握ったまま、

その場に立っていた。

胸が苦しい。

「なんで……」

涙がこぼれる。

私は泣いた。

泣いて、

泣いて、

泣いて。

涙が止まらなかった。

そして気づく。

このまま好きでいたら、

きっともっと苦しくなる。

私は決めた。

練習のあと。

外はもう暗くなっていた。

神戸高校の地獄坂を下る。

「貴夫」

「なに?」

私は言う。

「別れよう」

貴夫は黙った。

涙が止まらない。

「ごめん」

そう言って、

私は坂を下った。

神戸の夜風が吹いていた


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