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【ちょっと昔の世界一周】 #31 《空を眺めて》

サンマリノ

この名前を聞いてどれだけの人が「あ〜、サンマリノって◯◯だよね!」と言えるだろうか。

私も訪れることを決めたことで調べたが、下手をすれば知らずに人生を終える可能性もあったかもしれない。

イタリアに囲まれた世界で五番目に小さな国。
大きさは世田谷区とほぼ同じといった方が伝わりやすいかもしれない。

現存する世界最古の共和国ということも知ったが、こちらはそうなんだ...といった感想しかない。

唯一、聞いたことがあったのが詳しくはないがF1のサンマリノGP。
(旅は2008年だが、2006年を最後に開催されていない)

聞いたことがあるとはいえ、F1をやる場所にあったなぁ〜。といった感じでしかない。

そんなサンマリノでの滞在(観光)である。

目的があるわけではなく、とりあえず行ってみようということで来たものの、宿探しで一苦労

結果、いい宿泊先を見つけることができてよかったのだが、例によって観光という名の散歩ぐらいしかやることはない。

これまでの旅の中で、特にイタリアに来てからのミラノ・ボローニャで特に感じたのだが、観光地で有名観光スポットを見て回るというよりは、それぞれの土地の日常生活に違い場所を見て回るのが私は合っていると思う。

そのことから考えてみると、サンマリノという場所は街(国)全体が観光地という感じなので、予想してみるとそこまで合わない可能性がある。

とはいえ、せっかく来たのだ。
いつもの街歩きの準備を整え部屋を出た。

*****

宿を出ると、道いっぱいに観光客が歩いている。

観光地のど真ん中にいるということもあり、見渡す限り人、人、人...

街並みはヨーロッパに間違いないのだが、この人混みはどことなくカオサンロードを思い出す

道の両側にはホテル(料金は全くと言っていいほど違うが...)やレストランの看板。
さらには土産物屋も並んでいる。

歩きながら、土産物屋を覗くと店の主人がどうだい?といった雰囲気でレプリカの剣を見せてくる。

日本にいる時に外国人が多い観光地の土産物屋に並んでいる刀を見て『こんなの買う人いるのかな?』と思っていたのだが、いざ逆の立場で自分が剣を眺めると『この街で剣を構えたらかっこいいんじゃない!』と考えてしまったりするのも面白いものである。

さらに興味深かったのが、これだけ多くの観光客が訪れる土産物屋の主人が私のような〝どう考えても〟土産物を買わないであろう外国人に声をかけてきたこと。

彼のように様々な人を相手にしてきた人からすれば、私が買わないことなど一目瞭然であろう。

それが、剣を見せた後にこんなのもあるぞ!といったように別の物も見せてくる。

『お前はどうせ買わないだろ。でもせっかくここに来たんだ。観光地に来ているだから雰囲気を楽しんでいけよ!』

会話をしているわけではないが、彼の行動からはそんな雰囲気を感じられた。

勝手ではあるが、せっかくならば楽しもう!という気持ちでその後はサンマリノを見て回った。

サンマリノをネットで調べると、最初に目を引くのがの画像。

本来ならば、ガイドブックやガイドの案内で説明を聞いたり見たりすれば歴史や意味なども分かるのであろうが、私の旅においては詳しい情報はなくても問題はない。

とりあえず行ってみる。

行けば行ったで楽しめるものである。

他にも有名な【衛兵の交代式】

意外にもカメラ目線である

物価の高さはあるものの、旅が始まって最も観光を楽しめたかもしれない。

観光地で観光する

当然といえば当然だが楽しいものだ。
今までは土地柄(旅のスタイルか?)、観光というよりは日常の部分が強かったせいか、こんな感じも悪くないと思える滞在だった。

*****

とはいえ、やはり好みはあるようだ。

こうした観光もだが、私の心を動かしたのはやはりその土地の人たちだった。

観光地に変わりはないが、宿泊先も含め地元の人の相手をする人たちとの関わりは楽しかった。

散歩中にメインの通りから一本裏を歩いていた時のこと。
レストラン(というよりも小さな食堂)で水を買っていると、隣の土産物屋のおばさんが注文していたピザを取りに来ていた。

ピザといっても、大きな一枚ではなくワンカットサイズでクレープのような感じである。

食べながら帰っていくおばさんを見ながら、小腹の空いていた私もあれが食べたいと聞いてみた。

店のおじさんは『あれでいいの?』といった表情だったが、値段を聞くとそれほど高くない。

「あれがいい!」

そう伝え支払いをして待つ。
イタリアに来てから、本場のピザに興味はあったものの流石に一人で一枚食べるのは、お腹にも財布にも優しくないと思い食べないでいた。

出てきたピザは色々な意味でちょうどいい。

想像するに、イタリア(サンマリノだが)でのこのピザは、日本ではちょっとした時にコンビニでおにぎりを買う感覚なのだろう。

旅行に来たときにレストランに腰を下ろし食べる食事と違い、いつもの日々の中で『ご飯準備できなかったから、ちょっと買ってくるわ』といった感じ。

これぐらいの感覚がとても落ち着く。

店のおじさんにとっても、旅行に来てこのピザで満足してるアジア人は印象に残ったらしく、その後も店の前を通ると挨拶をしてくれるようになったおかげで、わずか二泊三日の滞在中に幾度となくこの店に寄ることになった。

土産物屋の主人にせよ、やはり私にとっての旅は人との関わりがあると楽しいようだ。

*****

日中は観光客が多いが、早朝や少し日が沈んでくると、人通りは少なくなってくる。

その時間もとても好きだった。

元々、石畳の街に憧れがあったからかもしれない。
早朝のスッとした人のいない街の空気を楽しむのもいいものである。

その後は色々と見て歩き、日が暮れ始めると街の外れの方にピザを片手に歩いていき、景色を眺めながら過ごす。

遠くに人々の声を聞きながらボーッとする。

こうした時間の使い方ができるようになったのも、ヨーロッパに来たおかげかもしれない。

アジアのドタバタもいいが、ゆったりとした時間の使い方はイタリアに来たから学べた気がする。

夕焼けに染まる空を見ながら、これからはどんな旅になるかを考える。

そして気づく。

考えたとこでその通りにはならない。
なるようになるだ。

世界一周を決めた時のこと。

距離はあっても日本とアメリカは同じ空でつながっていると感じた。

今、見ている空は日本ともつながっている。
それはこれから訪れる国も同じ。

喧騒と静寂

これからも人との関わりの中で、このバランスを楽しんでいこう。

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