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【ちょっと昔の世界一周】 #27 《合わないんじゃないか...》

『イタリアは合わないんじゃないか...』

イタリア、ミラノの中心である、ドゥオーモ広場にあるカフェでコーヒーを飲みながらしみじみと考えていた。

私はイタリアに来ていた。

*****

バンコクでの日々もあっという間に終わり、カオサンロードから空港までは直通バスに乗り、何も問題はなく空港へ着いた。

海外の空港でのチェックインもスムーズに進み、出発までゆったりと過ごす。

アジアを離れ、次の目的地はイタリア。
その後はトルコ、エジプトに行く予定を立てていた。

イタリアと一言で言っても、見どころはたくさんある。
海外にあまり興味のなかった学生時代でも、イタリアという国の観光地はいくつか知っていた。

そんな観光大国に行くのである。
せっかくならば色々と観ておきたいと思うのは当然のこと。

出発前に色々なルートを考えたのだが、最終的にイタリア北部からスタートし観光地を観ながら南下、船でギリシャに渡りその後トルコに行くというのが、いいのではないかという結論に辿りついた。

そうなると最初の都市は北部の中でも有名な【ミラノ】にすることにした。

私の持っている世界一周航空券では、バンコク〜ミラノは直行便がなく、一度イギリス経由で行くことになった。

日本にいる時でさえ直行便しか乗ったことのない私だったが、初の海外一人旅&乗り換えという体験。

どうなるものかと思ったが、アジアでの経験が活きた。

なるようになる

この考えで問題はなかった。

大きなトラブルもなくミラノの空港に着いた私は、宿を求め市街地へと向かう為に空港をあとにした。

空港からミラノの街に行くには電車が便利。
そう調べていたので電車に乗りミラノの中央駅へと向かう。

さすがヨーロッパ。

アジアとは全くと言っていいほど違う。

日本から直接来ればそれほど差は感じないのだろうが、タイ経由である。

それこそ、ラオス・カンボジアを経験したことでバンコクでさえ都会で凄い!と感じていた身からすると、あまりにも衝撃的であった。

当然といえば当然なのだが、テキパキと動いている。

もちろん皆んなが皆んなそうではないのだが、アジアのゆったりとした空気感からすると動きが速い。

人が多いのは当然だが、その流れのスピードが速い。

『都会だなぁ〜』

そんなことを思っていたが、私にはやることがある。

宿探し

アジアでの宿探しは慣れたが、ヨーロッパはどこか雰囲気が違う感じがした。

『これはなんか嫌な感じがする...』

その予感はすぐに現実となった...

*****

中央駅に着いた私はひとまずツーリストインフォメーションを探すことにした。

ビエンチャンで出会ったタカダさん
彼は、基本はアジアの旅が中心だったが、ヨーロッパ(特に東欧)も何度も旅していたこともあってヨーロッパではとりあえず【ツーリストインフォメーション】に行けばなんとかなる!と教えてくれていた。

アジアでも問題はないのだが、日本も含めそれなりに発展していて観光客も多い国はその人達へのサービスは充実している。

アジアと違って(国によるが)ヨーロッパはそういうところは楽だと言っていたことを思い出し、駅の中を歩く。

改めてだが、人が多く流れが速い。

『これなら宿もすぐに見つかりそうだな』

そんな期待を持ってツーリストインフォメーションの列に並ぶ。

私よりもはるかに大きいバックパックを背負った旅行者たちが次々とやってくる。

とはいえ、しっかりと順番待ちの列もあり何事もなく私の番へ。

ここで今までになかった旅の洗礼を受ける。

「Hi !! I'm looking for cheep hotel !!(安い宿はありますか?)」

今までの宿探しで使ってきた言葉なので、スムーズに出てくる。

しかし、今までとは違った...

対応してくれた男性は私の姿を上から下まで見回し、フンッとした表情をした後に一言。

「Milalo is not cheep !! Cheep Hotel is nothing !!」
(ミラノは安くない。安宿はないよ)

と笑いながら答え、一枚の地図を渡してくれた。

地図は観光客用といったもので、観光スポットや宿が書かれていた。

一言でいえば、見下された感じであしらわれた。

確かに、バンコクを夜出てきたこともあり一日以上きているTシャツは色んな意味で汚れてシワクチャ。
どう見てもあまりいい身なりではない。

さらにこれは想像に過ぎないのだが、私がアジア人ということも関係しているかもしれない。

アジアの旅の間も何となくだが白人系の旅行者の態度が気になることがあった。

もちろん全てではなく一部、さらに私を含め同じアジア人もやっていることもあるとは思うのだが、下に見る人が存在することは事実であり現実。

このこともタカダさんから聞いていた

「悪く言いたくはないけど、白人にとってアジア人は下の存在って思ってる人多いよね...結構あったもん、俺も。確かに俺も見下すことあるけどさ、なんかもっと上からなんだよ!その分、優しくされたらめちゃくちゃ嬉しいけどね!」

と、いった感じ。

それでも、そういったことは余計に感じとりやすいけど、優しい人もたくさんいるから気にせず旅してな!ともアドバイスをくれていた。

もちろんイライラしたが、そのことを思い出し先に進むことにした。

地図を見ながら宿を探す。

外観でいかにも高級といった所はやめながら、何軒か値段を聞いてみる。

どれも素晴らしく高い宿ばかり...

周囲に比べれば安い宿もあったのだが、アジアの感覚が抜けきらない。

さらに観光地のミラノ、加えてユーロも高騰していたこともあり、バンコクでの一泊五百円の十倍ほどではなかなか覚悟がつかない。

悩みに悩んだ末、探し回った中で一番安かった宿に決め、食費等で節約しようと決めた。

ようやく荷物を下ろし、ベットに寝転ぶ。

『イタリア...どうなるかな...』

そんなことを考えていたが、考えるだけ無駄だと思い、とりあえず外に出てみることにした。

*****

観光地として知られるミラノは、本当にその通りで素晴らしく、美しかった。

ドゥオーモ(大聖堂)や広場、そこから広がるアーケード。
そこに軒を並べるお店のどれも美しくおしゃれ。

さすがミラノ!

何度こう思ったことか。

せっかくなら最後の晩餐の壁画を見たかったのだが、予約制ということを現地で知りまぁいいか。となったぐらいで、観光を楽しめた。

しかし、最初にツーリストインフォメーションで感じたあの感じからなかなか抜け出せなかった。

歴史的に色々あるだろう。
だがもういいんじゃない!?
というのが素直な気持ち。

みんな仲良くすればいいじゃん!
と思ってはいても、簡単には解決できないから争いが起きるのだろう。

なんだかな〜

と思いっぱなしのミラノの日々だったが、収穫もあった。

教会というものに縁がなかったのだが、ドゥオーモは感動した。

何が?とはいえないがあの空気感。
とても好きな雰囲気であった。

そこだけではなく、街中の至る所に教会がある。
観光客向けではなく地元の人用なのだろうが、同じ空気感を感じて居心地がよかった。

散歩をしながら、暑さ対策も兼ねて教会へ。

何となく、その流れができあがる。

ヨーロッパはキリスト教、教会が多いということは聞いたことがあったので、今後もいいかもしれない。

自分流のヨーロッパの旅スタイルができあがった気がした。

さらに、ドゥオーモ前の広場にはカフェがたくさんある。

何気なく座っていると店員がメニューを持ってくる。

周囲の人の真似をしてエスプレッソを頼み、道行く人を眺める。

こんなゆったりとしたことは苦手だったはずなのだが、アジアのゆったりを感じてきたことで少しはできるようになったのかもしれない。

そこにイタリアということもあり、カフェが多くあることで優雅なコーヒーブレイクができるようになったらしい。

新しい発見もあり、ゆったりとした時間を楽しみながらも思うことは変わらない。

『やっぱイタリアは合わないんじゃないか...』

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