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【ちょっと昔の世界一周】 #51 《旅の楽しさ・面白さ》

ドアを開け、バックパックを抱えながら入ってきたのはシオリさんだった。

向こうも私に気づいたようで

「あ〜っ、ノブ君だ〜!やっぱりここにいた〜!!」

とバックパックごと突っ込んできてハグしてくるので、思わず吹き飛ばされる...

案内してきてくれた宿の人がチェックインの準備をしている間に、フロント横に座り話をする。

「シオリさん、ギョレメからイスタンブールに戻るって行ってませんでしたっけ?」

確かそう言っていたと思い聞いてみる。

「その予定だったんだけどさ〜、ノブ君がパムッカレの話ししてたの思い出してまだ日数も余裕あるし、せっかくだから来てみた!」

そういえば、パムッカレの話をした時に写真で見たことある!と言って行ってみたいと話していたことを思い出す。

「聞いてよ〜。ノブ君と別れた後さ、宿に着いたらメチャクチャお腹痛くなって、あの日動けなかったんだよね...宿の人も心配してくれてたから、思わずノブ君の宿聞いてたから、そこにいる人に助け求めて!って言おうかと思っちゃった!まぁ、翌朝には治ったんだけどね〜」

なかなか大変だったようだ。

「で、早速バギーツアー申し込んでその日の夕方行ったんだけど、あの二人組に会ったんだ!そしたらさっきノブ君に会ったんですよ〜って言ってたんだよね!」

そういえばタケシ君と再会した時に、予定が詰まってるからこの後もツアー申し込んだと言っていたが、バギーだったようだ。

改めて、広いようで世界は狭い。

これがあるから旅は面白い!

その後もシオリさんの話が中心で会話は進む。

私も石灰棚・ヒエラポリスの印象とノリコさんのロカンタ情報を伝えると、バスの時間がきたらしい。
エフェス!と声がかかった。

「じゃあ、そろそろ行きます!次に会うとしたらイスタンブールですかね?パムッカレを楽しんで!」

「そうだね!会えるかどうか分かんないけど、次はイスタンブールに戻るからね!」

そう言って私はバックパックを背負う。

「ホント、ノブ君と出会えて楽しかったよ!ありがとう!この後も気をつけてね!」

「こっちこそ、ありがとうございました!シオリさんもドイツに帰ってからも頑張って!」

「いい旅を!」

お互いに別れの挨拶を済ませ、私は外に出る。

トルコに来てから、多くの出会いがあった。

その中でもシオリさんとの出会いは、最もいい出会いだったと思う。

なんとなくだが、もう会うことはないと感じる。

それでも、この出会いは変わらない。

さぁ次だ!

そんな気持ちで私はバスに乗り込んだ。


*****

エフェス遺跡

カッパドキアなどと比べると、あまり有名ではないのかもしれないが、古代遺跡としては名の知れた観光スポット。(2015年に世界遺産に登録された)

旅を始める前に、トルコの見所とルートを考えていた際に気になっていた場所。

その頃は遺跡に興味がなかったにも関わらず、パムッカレからイスタンブールへ向かう際にもう一つぐらいどこかに寄ろう、という軽い気持ちで決めていた。
それが、遺跡に興味を持ち出した今となっては、よく調べていてくれた!と当時の自分に言いたくなってくる。

エフェス遺跡へは、近郊の街【セルチュク】から歩いても行ける距離らしい。

セルチュクはパムッカレのように、街自体は大きくないので観光スポットぐらいしか見所はないと聞いていたが、パムッカレでの出来事があったおかげでそれはそれで楽しめそうな気がしていた。

そんなセルチュクへと到着した私は、バスターミナルで情報を集め宿探しを始める。

ここまで行き当たりばったりで行動できている自分自身に何も感じないということは、それが普通になってきているのであろう。

旅というものは面白いものである

教えてもらった宿をいくつか見て周り、値段も雰囲気もいい宿に決める。
決めるといってもどこも宿の人の雰囲気はいいし値段もそこまで変わらないので、最終的には勘である。

荷物を下ろし、街歩きの準備を整え外に出ようとする。

玄関横のフロントにいた女将さんに街の地図を見せてもらい、エフェス遺跡の場所を確認していると「行くのかい?」と声をかけてくれる。

バスなりタクシーで行けるけど、今の時間なら歩いてもちょうどいいぐらいだよ。と言われ、せっかくなら行ってしまおうかという気持ちになってきた。

観光自体はそれほど時間もかからないはずなので、本来なら今日はゆっくりと街を見て周り、明日に遺跡を見てそのまま夜行バスでイスタンブールへと向かう予定だったが、逆にしてもさほど問題は無い。

パムッカレでもそうだったが、後からゆったりするのもいいものだ。と思った私はそのままエフェス遺跡へと向かう。

途中で出会った(声をかけらた)人たちの言葉通り、珍しく!?予想通りの時間で遺跡の入口へと辿り着いた。

見所の多いということもあり、とても楽しい遺跡観光になった。

本当に、遺跡にこれほど楽しみを感じるようになるとは…
以前の自分に教えてあげたいほどだ。

しかし、その中で感じることもあった。

観光地なのでしょうがないことなのだが、観光客がとても多い。

自分もそうなので言えたものではないのだが、それでも人が多い…

時間的にツアー客が多いこともあり、どこに居ても必ず数組の団体がいる。

確かにこういった遺跡ではガイドの説明を聞くとより楽しめるのだろうが、私の英語力では到底理解できない。

一人で歩きながらたまに聞き耳を立ててみたりと、理解は置いておいて上手く活用もしてみたが、どうもゆったりとした感覚は味わえない。

誰かも同じような感覚になっているのかも…と感じながら、以前ベンメリアで出会った遺跡調査の人のことを思い出した。

観光客が増えていいこともあればそうじゃないこともある。

そんなことも言っていたと思い出し、そこまで人を惹きつけ遺跡の魅力を改めて感じながら、私は遺跡をあとにした。

*****

帰りはバスなりタクシーでも使おうかと考えていたが、人混みに疲れたのかゆったりと自分のペースで歩いていくことにした。

こういったように、海外の道を歩く。ということも日本に居た時からしたら立派な旅行なのかもしれないが、日本を出て1ヶ月半ほどした今となっては当たり前の日常になっている。

当たり前と思っていることが誰かにとっては特別なこと。
その誰かは過去や未来の自分かもしれない。

改めて、旅はいい!

そんなことを考えていると、だいぶ街の中心部に戻ってきた。

さて、どうしよう?と思っていると

「Hi !!! コンニチワ!!」

と声がかかる。

声のする方を見ると兄妹だろうか、子供が二人手を振っている。

「メルハバ!(こんにちは)」

と返すと近寄ってくる。

空手・柔道・稲本(サッカー)とお決まりの話題で盛り上がる。

しばらく話して子供たちは帰っていった。

やっぱり自分にとっての楽しみはこれかな…

そんなことを感じつつ、夕食をどこかで食べようと歩き出す。

昨日までのノリコさんのご飯ではなく、久しぶりの現地の食事。
食堂ではなく、屋台で売っている物で済ませることにして、ベンチに腰かけケバブサンドをつまむ。

すると、野良猫が寄ってくる。
一口かじっては少しちぎってあげながらの夕食。

こういう時間もいいな…
そんな食事の時間も終わり、屋台横のゴミ箱に袋を捨てに行くと、そこにはいかにも観光客向けのポストカードが売っている。

ふと目をやると、先ほど行ったエフェス遺跡の写真が写っている。
その中で見かけていない建物があった。

屋台の人にここはどこ?と聞いてみると、マリアの家と教えてくれた。
どうやら聖母マリアに関係する建物のようだ。

エフェス自体がキリスト教との関係があることもあり、改めてトルコという国の多様性を感じる。

朝から色々なことがあったが、とても充実した一日となった。

明日はどうしよう?
そんなことを思いながら宿に戻る。

その時は、何気なく寄ったネット屋で偶然なのか運命なのかを感じる出来事が起きることをまだ知らなかった…


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