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多彩なお客様の物語を紡ぐ『コーヒートーク』へ入店した話

コーヒー、好きですか?

 私は苦いのが苦手なので、甘い系のしか飲めません。砂糖がばがば入れます。コンビニに売ってるようなものだと「ラテニスタ」がお気に入り。甘めのが好きと言ったが、マックスコーヒー、テメェはダメだ

『コーヒートーク』はどんなお店?

 『コーヒートーク』は2020年1月29日にPC、PS4、Xbox、NintendoSwitchでリリースされたノベルゲーム。プレイヤーはアメリカシアトルにある、夜間のみ営業をするカフェ「コーヒートーク」のバリスタとなり、お店を訪れるお客様の希望に沿った飲み物を提供することになる。希望通りの飲み物を提供するとお客様の運命もいい感じに進むようだ。原理は不明。まぁ、美味しい飲み物を飲めば運命は好転するものなのだろう。1周クリアまでの時間はそこまで長くなく、2時間〜3時間程度でエンディングまで行くことができると思う。程よいボリュームで、寝る前に少しずつ進めるのがおすすめだ
 PSPlusのフリープレイ対象にもなっていたので、ライブラリの底に眠っている人も多いかも

カフェ版『VA-11 Hall-A』?

 開発はインドネシアのインディーゲームスタジオ「Toge Productions」。ゲーマーなら似た作品としてバーテンダーとなる『VA-11 Hall-A』(ヴァルハラ)を思い浮かべるだろう。私は未プレイですが、お客様の話を聞きつつ希望に沿ったお酒を提供するという流れは似ているようには感じるが、本作は『VA-11 Hall-A』のクリエイターにアドバイスをもらったりしているようなので、両者の関係は良好であることがうかがえる。

 ファミ通でのインタビューによると、日本の漫画『バーテンダー』や『深夜食堂』といった作品からの影響も受けていると語られている。日本の作品が世界に羽ばたいているのを聞くと、自分のことではないですが誇らしい気持ちになりますな。

ゲーム下手でも安心のゲーム内容

 ノベルゲーム、アドベンチャーゲームという分類の本作は、アクションゲームのようにプレイヤー自身の腕前を問わないところが良いところだ。
 基本は会話を読み進めることリクエストに沿った飲み物の提供となる。これは序盤のゲーム画面だが、ベースとなるものを選択し、メイン材料、サブ材料を混ぜ合わせることで飲み物が完成する。物語が進むと材料も増え、組み合わせも豊富になる。

エスプレッソ」をご希望のようだ

 サラサラーっと、ミルクをトポトポーっと、最後にコーヒーがジャーっとなって「ミルクコーヒー」の完成だ。……「エスプレッソ」じゃない。

失敗したら淹れ直しも可能

 暖かみのあるグラフィック上質な効果音最高に良い。ストーリーの途中では材料名ではなくコーヒーの名前を直接指定するパターンもあり、知識のない自分にとってはかなり難しかった。本作の攻略ページではなく、実際のレシピを見ながら試行錯誤してたが、失敗も多かった。メイン材料とサブ材料の順番を間違えると違う飲み物になってしまうのが厄介バリスタに向いてない。ただ、1度作った名称がついたコーヒーについてはレシピが自動的に保存されるため、忘れても安心だ。
 特に意味はないが、一部の飲み物はラテアートを楽しむこともできる。操作は難しい。ミルクの加減を調節するのが至難の業。ラテアートが希望されることはほぼないので、あまり重要視されていないのがもったいない。

多種族が共存する世界の魅せ方の上手さ

 本作では人間同士だけではない、エルフやサキュバス、吸血鬼といった多種族が共存する現代社会が描かれている。ゲーム中は「コーヒートーク」の店内のみで、外に出ることはできないが、お客様同士の会話や1日毎に見ることができる新聞の見出しでプレイヤーの想像力が刺激してくる。会話ではわざわざ細かい説明はなく、それが当然と言わんばかりに余計な言葉がないところが本当に存在し得る世界だと思わせるような説得力がある。種族ごとに足音が違ったりするのもこだわりだろうか。

冒頭シーンのテキスト(ちょっと加工)

開店前に見ることができる新聞の一面

会話シーンが素晴らしい!

 「ノベルゲーム」となるので当然っちゃ当然ではありますが、テキストが良い。ローカライズ(翻訳)がしっかりとされている証拠だろうか。上手く日本語らしいニュアンスや言葉遣いとなっており、読んでいてストレスはなかった。キャラクターの言動は世界観を崩さないようになっており、設定がただの飾りではないことがよくわかった。テーブルにスマホを置いていたり、時折着信があるなど、動きにも細かさがあってよかった。

小難しいこと話してる

邪魔にならない、カフェの雰囲気に合ったBGM

 本作では20曲ほどの楽曲が用意されており、ゲーム中はランダムで流れ続けている。曲と曲のつなぎ目は上手くクロスフェードされており、気づいたら違う曲になっている感じだ。ジャンルとしては「Lofi Chillhop」というものらしく、落ち着いたオシャレな雰囲気が漂う。個人的にはクロード・ドビュッシーの「月の光」をベースとした「Moon Bright」が好きだ。「雨が降る夜」を感じさせるメロディーが良い。
 作曲者はAremy Jendrew(アレミー・ジェンドリュー)さんらしいが、他にゲームの音楽を担当はしておらず、アーティストとしての情報も見つからなかった。『コーヒートーク』の一番の謎かもしれない

淡々と進む、カフェでのひとときーー。ゆったりとしたゲームが好きならおすすめの一作

 本作にはこれと言って大きな盛り上がりは無い。お客様の話を聞き、飲み物を提供する以外のことは本当に無く、やることは単調なので、飽きてしまう人も多いかもしれない。私は文字を読むのが得意ではなく、ノベルゲームはもとより、小説なんかも読んだことがほとんど無い。そんな自分でも『コーヒートーク』の世界に没入し、スラスラと会話を読める本作はなにかパワーを秘めているように感じた。こういった作品の入門的存在かもしれない。「多種族が共存する現代社会」という設定に引っかかるものがある人は触って損はないだろう。少しディープな、オトナな会話もあるので、そのあたりにも注意しておいてもらえると良いかもしれない。
 おまけとして「コミック」も用意されており、各キャラクターが「コーヒートーク」に来店する前の姿を見ることができる。本作が気に入ったのなら、こちらも読んでおくと良い。

さて、今夜のお供はーー。

 それでは。

 おわり。

トロフィー集めは非常に簡単なので、その点でもおすすめ

見逃せない、同じ作者の新作情報

 本作をプレイ途中に見かけた新作の話。気がついたらもうリリースされていた。本作の作者であるモハメド・ファーミさんが手掛ける短編アドベンチャー『What Comes After』は死者たちの魂を死後の世界へと運ぶ列車に偶然乗り込んでしまった女性を主人公とした作品。詳細はよくわかっていないが、『コーヒートーク』とはまた違った雰囲気だ。ちょっと気になる一作。

続編……? エピソード2が発表!

 この記事を公開してから数日。なんと『コーヒートーク』のエピソード2のSteamページが公開されていた。リリースはまだまだ先のようですが、楽しみですなぁ。


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