【第361回】 Marketing Cloud Next : メール追跡リンクのドメイン設定
Marketing Cloud Next Growth & Advanced Edition では、通常のメール内リンクをクリックすると、メールの追跡リンクは次のようなドメインで表示されます。
https://xxxxx.tracking.e360.salesforce.com/click?.....
実際の例:https://cdp91.tracking.e360.salesforce.com/click?.....
このように、salesforce.com を含む デフォルトのメール追跡ドメイン をそのまま利用したくない場合は、企業独自の ブランド化されたドメイン に変更することが可能です。
これにより、ブランド統一やユーザー体験の向上、セキュリティ観点での配慮にもつながります。
注意:一度に設定できるドメインは 1 つのみ です。
また、ランディングページ用のカスタムドメインや、SMS の短縮リンク用のカスタムドメインとは別のものを選択してください。
今回の設定はマーケターチームだけでは完結しません。以下の準備が必要となりますので、時間に余裕を持って IT チームと連携してください。
認証機関署名証明書(CA-signed HTTPS certificate)の準備
ドメインレジストラでの DNS レコードの設定
認証機関署名証明書 の準備
1. 設定で「証明書」と入力して、「証明書と鍵の管理」を表示し、「認証機関署名証明書の作成」のボタンをクリックします。

2. 必要事項を入力して、保存します。

設定例:
・ 表示ラベル:CASignedCert_10Sep2025(Salesforce 管理用 表示名)
・ 一意の名前:CASignedCert_10Sep2025(Salesforce 管理用 API 名)
・ 一般名:click.XXXXX.com(クリック用の「サブドメイン」を記載)
・ 会社名:XXX Company(会社の正式名称)
・ 市区郡:Minato-ku(会社の所在地)
・ 国コード:JP(国コード 2文字)
・ 鍵サイズ:2048 推奨
・ メールアドレス:abc@xxx.com(設定は任意です)
・ 部署:IT など(設定は任意です)
・ 都道府県:Tokyo(会社の所在地)
※ 保存後に編集可能なのは、表示ラベル と 一意の名前 のみです。
※ Exportable Private Key は、証明書とあわせて「秘密鍵」をキーストアへエクスポート可能にするかどうかを指定する設定です。
このオプションを無効にした場合、証明書をエクスポートしても秘密鍵は含まれません。
原則としては「オフ」を推奨します。
この設定を有効化すると、Salesforce 上で作成した証明書セット(証明書+秘密鍵)を、別システムでも利用できるようになります。
例えば、以下のような用途です。
- 他システムへ同じ証明書を移行したい場合
- 秘密鍵をバックアップとして保管したい場合
- 別環境や別サーバーでも同じ証明書を利用したい場合
ただし、秘密鍵を外部へ持ち出せる状態になるため、漏洩時のリスクが高まります。そのため、特別な理由がない限りは「オフ」のまま利用することが一般的です。
3. 保存されたレコードを開いて、「証明書署名要求のダウンロード」ボタンをクリックします。.csr 拡張子の証明書署名要求が取得できます。


この証明書署名要求は、「このドメインでSSL 証明書を作りたいです」という 申込書 だと思ってください。
4. この証明書署名要求を、利用すると選択した証明機関(CA)(例:お名前ドットコムなど)へ送信します。3 か月間無料のサイトもあります。

5. 証明機関(CA)より証明書ファイル(.crt 拡張子)が戻ってきたら、再度作成した 認証機関署名証明書 のレコードを開き、「証明書署名要求のアップロード」をクリックします。

6. ファイルをアップロードして保存します。

7. これにより、このレコードの「アクティブ」にマークが入ります。

メール追跡リンクのドメイン設定
1. 続いて、設定 >「リンク」に遷移して「新規作成」をクリックします。

2. メール追跡リンクで使うサブドメインを入力し、先ほど設定した「認証機関署名証明書」を選択して保存します。

3. 登録された時点では、状況は「Inactive」です。「詳細を表示」を選択します。

4. カスタムドメインが Salesforce にアクセスするように、DNS に CNAME レコード(1 行のみ)を登録します。情報をコピーして DNS で処理してください。

5. DNS エントリがインターネット上で反映されたことを確認されたら、状況を有効化します。DNS 登録後、反映まで 5 分~ 10 分待ってください。

6. これで状況が「Active」となりましたので、完了です。

7. この状態でメールを送信すると、メール追跡リンク URL のドメインが変更されたことが確認できます。

注意:プレビューとテストでは、送信の履歴しか残らず、開封やクリックの履歴が残りませんので、フローを使った本番送信で確認してください。
有効期限が切れた場合
有効期限が切れると、以下のように管理画面で「赤字」で表示されます。

⚠️ 証明書の有効期限が切れたリンクは、ブラウザの仕様によりますが、下記のようなエラー画面となり、直接はリンク先サイトへ遷移できません。

Salesforce からは、登録済み証明書の有効期限が近づくと、有効期限の 10 日前および 1 日前に、「One or more of your Salesforce certificates expires soon」という件名のリマインドメールが送信されます。

もし、一時的に「https://xxxxx.tracking.e360.salesforce.com/click?.....」に戻す必要がある場合は、設定から「Links」を検索して、設定したドメインを削除してください。但しこれを削除しても、送信済みのメールの状況を改善するものではありません。

注意:稀にキャッシュが残っていて、削除したはずのドメインで送信される場合がありますので、ご注意ください。
いかがでしたでしょうか。
メール追跡リンク URL をドメイン設定することにより、以下のようなメリットが考えられます。
✅ ブランド信頼性の向上
デフォルトでは xxxxx.tracking.e360.salesforce.com のような外部ドメインになります。自社ドメインを使うことで、受信者に「公式のリンク」であると認識されやすくなり、クリック率や信頼性が高まります。
✅ クリック率・開封率の改善
受信者は不明なドメインを不審に感じ、リンクをクリックしない場合があります。自社ブランドのドメインを表示することで心理的ハードルが下がり、エンゲージメント向上につながります。
✅ ドメイン整合性と認証強化
SPF / DKIM / DMARC と組み合わせることで、配信元とリンク先の一貫性が確保され、メール認証のスコア向上に寄与します。フィッシング対策にも有効です。
このようにメリット満載ですので、ぜひ設定を検討してください。
今回は以上です。
