見出し画像

【第97回】 Behavioral Triggers を試してみよう Part.1

今回から Salesforce Marketing Cloud における「Behavioral Triggers を試してみよう」という記事を全 3 回に亘って連載したいと思います。

今回の記事は「Behavioral Triggers を試してみたい」というマーケターの方向けの内容となり、現実の実装には即しません。本番で実装をする場合は、皆さんの会社の IT システム部の方と一緒に作業をして下さい。

Behavioral Triggers を実装される前の注意点です。この Behavioral Triggers は Einstein Recommendations の機能である「製品カタログ」や「コード」を使用します。すでに Einstein Recommendations がアカウントに実装済みの場合、既存の Einstein Recommendations に影響が出る場合がありますので注意してください

この Behavioral Triggers を使うことで、カートや Web サイトでアクセスを断念した顧客に簡単にリーチすることができるようになります。Salesforce は、この仕組みを 2020 年 7 月に導入しました。

Behavioral Triggers には 3 種類のトリガーがあります。

・カート放棄
・ブラウズ放棄(Web サイトの閲覧放棄)
・欲しい物リスト放棄

これら 3 種類のトリガーを使って、メール送信ができるまで実装してみたいと思います。

それでは早速 Behavioral Triggers へアクセスしてみましょう。 Behavioral Triggers は Journey Builder アプリの中にあります。

Behavioral Triggers をクリックすると初期段階では Email Recommendations のページに遷移します。これには理由があって Behavioral Triggers で表示される製品は Email Recommendations の「製品カタログ」に登録されており、Availability が Y(有効)となっているものだけが表示される仕組みになっているからです

まずは「製品カタログ」の登録からスタートしましょう。

① の「はじめましょう」ボタンをクリックしてください。クリックすると Email レコメンデーションの設定の画面に遷移します。カタログの種類で「製品」を選択して「次へ」をクリックしてください。

カタログデータの属性の設定画面になります。そう言えば、今回がどのようなお店の Behavioral Triggers の設定にするかをお伝えしていませんでした。今回は CD ショップの通販サイトの例で実装してみたいと思います。

属性の設定では「RegularPrice」「SalePrice」「ImageLink」にチェックを入れてください。続いて、製品金額に対して「円」での表示が必要になるので「RegularPriceDisplay」と「SalePriceDisplay」という名前でカスタム属性を追加します。「RegularPrice」「SalePrice」はドル表記のためです。ローカライズ機能もありますが、いまいちイケていません。

また音楽 CD の場合、アーティスト名や製品タイトルが必要ですね。デフォルトの「ProductName」があるのですが、ここでも「ArtistAndTitle」というものを作成しておきます。表示で必要なものは作ってしまうのが楽です。

また「ProductCode」とは一般的な製品コードで、「SkuID」とは同じ製品コードの中で別バージョンがある場合などに使用します。よって、今回の例では「SkuID」は使用しません。また「ReleaseDate」や「説明」も表示には使用しません。「次へ」を押します。

次のページは特に変更せず「次へ」を押します。必要に応じて後から変更可能です。

次のページも変更しないで大丈夫です。「次へ」を押してください。

最後のページは設定のレビューページですのでこちらもそのまま「完了」をクリックします。

下記のようなポップアップが立ち上がりましたら、送信は「スキップ」してください。今回は不要です。

続いて、下記のような画面になります。こちらは Email Recommendations の「概要」タブです。ここまでの作業で、手順 ① が完了しましたので、手順 ② に進みます。「管理者」タブから「カタログ」をクリックしてください。

この時 Email Recommendations のタブがまったく表示されないというページに来てしまいましたら、一度「ステータス」をクリックしてください。

これでタブが表示されますので「管理者」タブから「カタログ」に遷移できると思います。

続いて、カタログ連携の管理ページとなりますが、まだ何もカタログ連携をしていませんので、ヘッダーだけが表示されています。右上の「新しいカタログを接続」をクリックしてください。

こちらでカタログ連携を定義していきます。今回は FTP 経由でカタログをアップロードしますので、まずステップ 1 にて「製品」をクリックしたらステップ 2 で「FTP」をクリックして下さい。

すると Marketing Cloud の SFTP の情報・そこに配置されるファイル名・ファイルの更新タイミングを入力する画面になりますので入力してください。ここでのファイル名の書き方は、SFTP のインポートフォルダに配置される場合は「Import/◯◯◯.csv」となります。

残りのステップ 3, 4, 5, 6 は下記のような入力になります。

ステップ 4 は ProductCode ではなく ProductID と記載します。アップロードする CSV には ProductCode の他、ProductCode と同じ値を持つ ProductID を用意してください。(← 意味がわかりづらいと思うので、下の CSV を参考にしてください。)

ステップ 5 の「部分的なカタログですか?」に関してはイメージしづらいと思いますが、「False」の場合は、アップロードする CSV ファイルの中に登録済みのカタログデータのレコードが存在しない場合、その登録済みのカタログデータの Availability が N(無効)となります。

一方、「True」の場合は、アップロードする CSV ファイルの中に登録済みのカタログデータのレコードが存在していようが、していまいが、登録済みのカタログデータには影響せず Availability は現状のまま保持されます。

毎日すべてのカタログファイルを連携する場合や Availability が Y(有効)のものだけを連携する場合は「False」として頂き、情報に更新があった製品だけだったり、新製品だけだったりを連携するような場合は「True」として頂ければ良い感じです。後者の連携のイメージを「部分的なカタログ」と呼びます

それではすべての設定が完了したら「新しいファイルをアップロード」をクリック下さい。まだ実際には SFTP に CSV ファイルがありませんので、この実行は失敗しますが作成した定義は保存されます。

下記の通り SFTP 内にファイルが見つからないとエラーが発生したことが確認できます。これで定義が保存されました。

ではここで実際のファイルを SFTP のインポートフォルダに配置してインポートを試してみましょう。下の CSV をダウンロードしてそのまま使用しても構いませんし、皆さんの方で製品を CD では無いもので作成して頂いても構いません。またファイル形式は CSV UTF-8 で作成する必要がありますのでアップロードできなかったら保存し直して下さい。

ここで以前にカスタム属性を作成済みですのでそちらを少し説明をします。

例えば「RegularPrice」は商品マスタにおいて税抜き価格で持っている場合が多いと思います。但し表示としては税込み価格で表示させたいし、さらに金額の前に「通常価格:」という表記も追加したいという要望があります。そこで連携するファイルに事前に「通常価格:¥◯,◯◯◯」を作成してから連携をします。そのための「RegularPriceDisplay」になります。

また同様に「アーティスト名」と「製品タイトル」が別で管理されている場合が多いと思います。これもうまくメール上で表記するには「アーティスト名」と「製品タイトル」を繋げたテキストとして事前に「アーティスト名 / 製品タイトル」を作成してから連携します。そのための「ArtistAndTitle」になります。

このように、ある程度メール上で表示させるテキストは連携するファイルを作成する段階で準備しておくと便利です。もし本番で作業される際は、皆さんの会社の IT システム部の方に依頼して下さい。

CSV ファイルを SFTP のインポートフォルダに配置しましたら手動実行で取り込みます。手動実行の方法ですが「製品カタログ」をクリックします。

「ファイル設定」の「保存して更新」をクリックします。

これで CSV ファイルの取り込みが開始されます。

CSV ファイルの取り込みが完了すると「取り込んだファイルのマッピングをして下さい」と表示されます。Map Your Fields をクリックします。

このマッピングでは、下記のような注意点があります。

・ 日付形式を yyyy-mm-dd hh:mm:ss にしてください。(今回は特に日付は使用しません。)

・先ほどのインポートの設定の時に「一意の ID」として ProductID を指定したので、この「製品コード」に対して ProductCode を選択できるようになります。もし「一意の ID」で ProductCode を指定した場合はこちらで選択できません。この紐づきはとても重要なので、しっかり ProductCode が選択できているか確認してください。

・「定価」と「販売価格」の所にデフォルトで「RegularPriceDisplay」と「SalePriceDisplay」が紐づきます。この 2 つは「追加フィールド」として使用する必要がありますので手動で「RegularPrice」と「SalePrice」に変更してください。後にメールを作成する際に「RegularPriceDisplay」と「SalePriceDisplay」が使用できなくなります。

上記の注意点を確認して頂き、下記のようになっているかが確認できたらマッピングを保存して下さい。

マッピングが保存されたら、再度概要のメニューの「ファイル設定」から「保存して更新」をクリックするとファイル連携が開始します。

「Successfully processed 10 items.」と表示されましたら成功です。

これで「製品カタログ」が登録されました。もし下記のように「Skipped import of duplicate file」と表示されてしまっている方は、同じファイル名のファイルがインポートできないだけですので、例えば SFTP に配置してあるファイル名の日付を変更するなどして再度お試しください。

カタログが登録されているかを確認する場合は「レポート」タブから「管理ツール」をクリックしてください。

ここで製品コードである「BOR501」などを入力して検索しても検索できますが「空欄」のまま検索してください。

すると下記のように 10 個の製品が登録されていることが確認できました。

ちなみに登録した製品カタログが格納されるデータエクステンションがあるのですが「Einstein データエクテンションの有効化」がされていないと格納されません。この有効化は、この後の手順を踏まないとできませんので、Part. 2 の記事でお伝えすることになるかと思います。



これで Part. 1 の記事は終了します。Part. 1 は「カタログ登録編」という感じでしたね。お疲れ様でした。

Part. 2 は「コード編」Part. 3 は「Behavioral Triggers の設定編」という感じになりそうです。明日、明後日で記事を公開する予定です。

薄々感じている方がいらっしゃるかもしれませんが、今回の記事の流れは Email Recommendations を実装する流れと同じになります。今回の記事が終わりましたらどこかのタイミングで「Einstein Recommendations を試してみよう」という記事も作成してみたいと思います。

今回は以上です。


次の記事はこちら

前回の記事はこちら

私の note のトップページはこちら