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【第25回】 メールの配信到達性を向上させるためのガイドライン

メールマーケティング戦略において、配信成果が思うように上がらず、むしろ下がっていると感じたことはありませんか? 何が問題なのか分からないときは、基本に立ち返って確認すべき「ガイドライン」があります。

この「メールの配信到達性を向上させるためのガイドライン」は、以下の Trailhead にも記載されており、日々のメール作成時の指針となるだけでなく、Marketing Cloud 関連の認定資格の試験対策としても役立つでしょう。


メール配信到達性を向上させるガイドライン

① CAN-SPAM 法(スパム規制法)に準拠

CAN-SPAM 法に関しては、以前に記事を書かせて頂きました。「2003 年未承諾のポルノグラフィーおよびマーケティング攻撃に対する規制法」という 2004 年 1 月 1 日に施行された、商用メールを規制するアメリカの法律のことです。こちらはアメリカの法律ですので、日本での準拠は不要ですが、これに沿うことで、顧客を苛立たせなくなるなどのメリットがありますので、なるべく準拠することが推奨されます。是非、以下の記事もご覧ください。

② スパムフィルター対策

低い開封率、増えるバウンス、増える迷惑メール報告は、受信者がメールを迷惑なものと考えている可能性があることを示しています。その結果、ISPの迷惑メールフォルダが、メールを迷惑メールとみなす可能性が高くなります。トラッキング情報を確認して、早めに対処しましょう。

③ アドレス帳への追加戦略

購読者が使用しているメーラーのアドレス帳に登録されることで、迷惑メールフォルダに入る可能性が最小限化されます。アドレス帳への追加を依頼する内容をメールに含ませましょう。

④ 20% を超えるバウンス率への対処

バウンスされたアドレスを、予め削除してから送信しましょう。バウンス率が 20% を超える場合には、配信到達性および ISP の評価が著しく損なわれると言われています。

⑤ メール件名を分かりやすく

メール件名に企業名を記載して、購読者がメールの送信元が誰であるかをしっかりと認識できるようにしましょう。

⑥ 送信者名および送信者アドレスを分かりやすく

⑤同様、「送信者名」と「メール送信者のアドレス」を購読者がしっかりと認識できるように、企業名入りのものにしましょう。

⑦ 古いアドレスや無効なアドレスを削除

ハードバウンスしそうな、古いアドレスや無効なアドレスへの配信は、無駄打ちとなり、コストがかかります。また、届いたとしても、迷惑メール報告に繋がる可能性があり、評価を下げますので、事前に削除しましょう。

⑧ 配信頻度およびコンテンツの管理

メール送信の頻度や内容が、顧客と約束したものと違って来ていませんか?例えば、週一配信という約束だったのに、毎日送信していれば、迷惑メール報告に繋がります。顧客との約束を守って配信しましょう。

⑨ 迷惑フォルダー行きを避けるためのメールの認証

メールを認証すれば、各自のメールをスパムと差別化し、ブランドを守り、ROI を高めることができます。Marketing Cloud Engagement では、メール送信の認証を処理する Sender Authentication Package(SAP)を提供しています。この仕組みを積極的に採用しましょう。


参考:メールドメイン認証の仕組み

SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)では、メール送信者が本当にその本人であるかを検証する仕組みがありません。そのため、送信者の正当性を確認するために、以下のようなメール認証技術が必要です。

1. SPF(送信者ポリシーフレームワーク)

SPF は、特定のドメインから送信されるメールアドレス(MAIL FROM / エンベロープ FROM)が、許可されたサーバーから送信されているかを確認します。DNS に設定された TXT レコード(SPF レコード)を使い、送信元サーバーの正当性を検証し、なりすましを防ぎます

DNS サーバーはドメイン名と送信元サーバーの IP アドレス(or ホスト名)を紐づける形で管理しているので、ドメイン名の問い合わせに対して、どの送信元サーバーの IP アドレスが登録されているかを回答してくれます。

  • 仕組み:「このドメインのメールアドレスは、このサーバーから送信されるべき」というポリシーに基づいて検証します。

  • 失敗時:なりすましの可能性があると判断されます。

2. DKIM(ドメインキー識別メール)

DKIM は、メール送信時に電子署名を付与し、受信者サーバー側で署名の検証を行うことで、変更や改ざんを防ぎます。電子署名では「公開鍵」暗号方式を利用し、送信元サーバー上の「秘密鍵」で署名を作成し、受信者サーバー側は DNS サーバーに登録された「公開鍵」を取得して検証します。

  • 仕組み:送信元サーバーがメッセージ全体、またはメッセージヘッダーに電子署名を付けて送信し、受信者サーバーがそれを検証します。これによりメッセージの変更や改ざんを防止します。

  • SPF との違い:SPF は MAIL FROM アドレスと送信元 IP アドレスが正当であるかを検証しますが、DKIM は FROM アドレスとメール内容の整合性を検証し、担保します。

参考:送信元メールアドレスの種類
①「ヘッダー FROM」「FROM」・・・受信 BOX 上で表示されるアドレス
②「MAIL FROM」「エンベロープ FROM」・・・実際の差出人アドレス

3. DMARC(ドメインベースのメッセージ認証、レポートおよび適合)

DMARC は、SPF や DKIM と連携して、メールの送信者情報(MAIL FROM とFROM アドレス)が一致しているかを確認します。また、DMARC ポリシーを設定することで、認証に失敗したメールへの対処方針を設定できます。

  • DMARC 認証のプロセス:

  1. SPF チェック

    • MAIL FROM のドメインと送信元 IP アドレスが一致するかを確認

  2. DKIM チェック

    • FROM アドレスが署名された内容と一致するかを確認

  3. DMARC ポリシー

    • SPF や DKIM のいずれか、もしくは両方が整合しており、かつ MAIL FROM と FROM アドレスのドメインが一致するかを確認

    • 認証に失敗した場合の対処方法(受信拒否=バウンス、隔離=迷惑メール、受信許可=何もしないで送信)を定義

SPF、DKIM、DMARC はそれぞれ異なる役割を持ちつつ、相互に補完し合うことで、メールのなりすましやフィッシング攻撃からの保護を実現します。これらをすべて正しく実装することで、メールセキュリティの水準を最大限に高めることが可能です。


いかがでしたでしょうか。

最後に参考までに記載した「メールドメイン認証」については、実務的な内容ですので認定試験で問われることは少ないと思いますが、前段の「メールの配信到達性を向上させるためのガイドライン」は試験でも頻出の内容ですので、しっかりと押さえておきましょう。

今回は以上です。


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