ため込んだ知を放出したい だから私は書いていく
参加しているライターサロン
今年度のnoteチャレンジ企画
これから1年間、月1でテーマに沿ってnoteに綴る。
12個のテーマごとに綴られたエッセイは、
これまたZINEにしてくれるらしい。
続くかわからないけど、とりあえず今月のテーマで1本書いてみた。
4月のテーマは【本】
私という人間を定義した3冊。
今の自分の価値観の土台になっている本。
2026年度のはじまりに、自分の現在地を確認する。
①『アクロイド殺人事件』アガサ・クリスティー著(新潮文庫)
この作品は中学一年の時に読んだ。初めて自分で購入した文庫本だった。
決め手は表紙の懐中時計がおしゃれだったから。ただそれだけの理由。
そして、初めて自分で「犯人を当てた」小説でもある。
読み進めるうちに、文章の違和感、辻褄の合わないところに引っかかり始めた。
そこから消去法で怪しくない人物を外していき、コイツが怪しいと思い至る。
読了後、推理が当たっていた爽快感で満たされたことをよく覚えている。
成功体験というものだろうか。
インターネットもない時代、作品の背景を調べることもなく、ただ読んだ。
後になって知ったことだけど、当時、このトリックはかなり斬新だったらしい。
発表された1926年頃、大論争を巻き起こすほどの波紋を投じた作品だった。
そんな問題作ともいえる一冊を、ただ表紙に惹かれただけで手に取っていた。
その偶然の出会いをきっかけに、私はアガサ・クリスティーの世界にハマっていった。
本とはつくづくめぐり逢いなのだと、あらためて思う。
②『うちの夫を神夫に変える方法』河村陽子著(青春出版社)
数年前に夫婦問題が勃発した時、
私は陽子さんのブログを読みふけり、
カウンセリング講座にも参加した。
明るくて、例え話が上手くてわかりやすい。どんな話もじっくり聞いてくれて、的確なアドバイスを返してくれる。
YouTube配信もしていて、見るだけで嫌なことが吹き飛ぶくらい面白い。
その陽子さんの考えがギュッと詰まった本書。
タイトルは「夫を変える」だけど、
根底にあるテーマは
「大切なことは自分がどうしたいか」
会話術を駆使して相手とのコミュニケーションを高めていく方法が具体的に示されている。
さらに参考事例が5つも紹介されている。人とは、自分と似た境遇の誰かを求め、そこから希望を見出したいもの。
悩める妻にとっては一読の価値あり。
この本を読んだ時、私はもう自分のやりたいことを見つけて邁進していた。
そこにたどり着けたのは、
陽子さんに出会えて、前向きに生きるヒントをたくさん教えてもらったからにほかならない。
③『三行で撃つ』近藤康太郎著(CCCメディアハウス)
「読者はあなたに興味がない」。冒頭から衝撃的だったけど、確かにそう思う。
読者にとって、書き手の話など興味ない。自分にとって有益か否か、それだけ。
ゆえに冒頭三行が勝負。そこから読み進めてもらえるか、離脱されるか。
さらに、文章構成は起承転結の「転」で読ませる。
この本は、ライティング勉強中に読んだ。
文章を書く上で、わりと多くの人が参考にしている元新聞記者の著書。
特に共感したのは、集中するとmojo(魔力)が降りてくるという感覚。
女神降臨とも言っていた。
そういえばNHK大河ドラマ『光る君へ』で、紫式部が執筆に入る前に、天から文章がパラパラ降ってくる場面があった。
これも文章の女神が降りてきたということか。
そして私は、昔、納期に追われる仕事をしていた時を思い出す。
とにかく仕上げてなんぼの出来高制。
時間は過ぎるだけでまったく進まない時もあれば、素早い手さばきで文字を打ち込める時もある。まさに何かが降りてきたかのような、
脇見も振らず一心不乱に。
あの時、私にもmojoが降りてきていたのかもと、読んでいて思った。
物書く人なら、なるほど、今までのこの感覚って「これ」だったんだと思い当たることが満載。
これを感じ取れた時点で、私も物書きの一員だなと錯覚するほどの「共感の書」であった。
この3冊を選んでみて
読書は好きだけど、自分の土台となるような、大それた思いをもって読んでこなかった。なので、選書の時とても困った。
でも、最近は文芸作品ばかりで推理小説も実用書もほとんど読んでいないことに気付けた。
昔、偶然手に取った推理小説のことを思い出してみたら、つらつらと書けたことにも驚き。
思い出してみたらいろいろ降りてきた。
実用書において、
それらを読む時は、そこに何らか知を欲しているメンタルの時だと思っている。
だから最近、実用書を読まなくなった自分は、今はそこ(知)は要らないのかも。
むしろため込んだものを放出しようとしているメンタルなのかなと、
改めて思った次第。
読者は書き手のことなど興味がないことに共感したのに、相反するようだけども。
現在進行形のことしか考えずに過ごしているから、こんなふり返る機会を得られてよかった。
来月もチャレンジに参加しようと思う。
