銀河連合株式会社 #45 炎上の火種
銀河連合本部の昼下がり。
クル=ル、ゼル=マル、ルミナ、タナカは休憩スペースでざわついていた。
触手族ゼル=マルが触手を震わせた。
「おい……聞いたか?
リオが雑誌やTVやSNSで会社の実態をリークしたらしい……!」
クル=ルは三つの目を丸くした。
「えっ……35話で退職代行を使って逃亡中のあのリオが……?」
光生命体ルミナは光を弱めた。
「読者にもわかる説明をありがとう!
“非弁行為だ”って退職代行を拒絶されたあの日から、
ずっと何か考えてたのよね……」
タナカは静かに言った。
「僕も記事を読んだ。
“新人に清掃強制”
“パワハラ強化日”
“退職妨害”……
全部ありのまま書かれていた」
クル=ルは震えた。
「そんなことしたら……会社が……」
そのとき、無表情ロボットK-08が現れた。
「皆さんにお知らせです。
当社に関する虚偽情報がSNSで拡散しています。
上層部は“法的措置を検討中”です。」
ゼル=マルは触手をしおらせた。
「ほら来たぞ……“虚偽情報”扱い……
全部事実なのに……」
ルミナは光を弱めた。
「しかも“法的措置”って言うと、
社員が黙ると思ってるのよね……」
クル=ルは恐る恐る聞いた。
「で……炎上はどうなってるんですか……?」
K-08は淡々と告げた。
「現在、SNSで“#銀河ブラック企業”がトレンド入りしています。
雑誌社の取材も殺到しています。
上層部は“社員の誤解”として処理する方針です。」
クル=ルは三つの目を伏せた。
「誤解…とは…?」
その瞬間、全員の端末に通知が届いた。
《緊急通達:
SNSでの会社批判は禁止
“いいね”や閲覧も監視対象
※違反者は処分の可能性あり》
クル=ルは凍りついた。
「閲覧も……処分……?」
ルミナは光を弱めた。
「リオは辞めたいのに……
会社はまだリオを追いかけてるのよね……」
タナカは静かに言った。
「ここでは、“辞めた社員”が
会社最大の敵なんです。」
その日の勤務表には――
“炎上対応:全社員の責任(元社員含む)” と自動的に記録されていた。
