銀河連合株式会社 #4 銀河職業適性センター
銀河連合株式会社は、あらゆる種族の失業率を下げるために
「銀河職業適性センター」 を設立した。
触手の数、テレパシー能力、光る頻度、
さらには“別次元の自分の働きやすさ”まで分析し、
最適な仕事を紹介してくれるという触れ込みだった。
その日、センターを訪れたのは 地球人のタナカ、触手族のゼル=マル、光生命体のルミナ、そしてクル族のクル=ル。
案内役は、無表情ロボット・K-08。
【適性スキャン開始】
K-08は淡々と告げた。
「ではまず、皆さんの適性スキャンを行います」
四人は順番に機械の中へ入り、光に包まれながらスキャンされていった。
最初に結果が出たのは、光生命体ルミナ。
【ルミナの適性結果】
・外交官 → 光の揺らぎが感情を伝えるため、嘘がつけず信頼されやすい
・照明インストラクター → 光量調整が得意
・宇宙船の非常灯 → ずっと光っていられる(※休憩なし)
ルミナは光を弱めた。 「最後のやつ、職業なの……?」
【ゼル=マルの適性結果】
・触手オペレーター → 多本触手による高速作業が可能
・宇宙怪獣の世話係 → 触手が多いほど好かれやすい(※危険度:高)
・ブラックホール観察助手 → 触手が長いのでギリギリまで近づける(※危険度:極高)
ゼル=マルは触手を震わせた。 「最後のやつ、ギリギリって何だよ……!」
【クル=ルの適性結果】
・惑星の自転監視員 → 三つの目で広範囲を監視できる
・宇宙船クッション係 → 柔らかい体で衝撃吸収に最適
・ワープ事故の観察モニター → 消えても気づかれにくい(※危険度:極高)クル=ルは青く光った。
「“消えても気づかれにくい”って……説明が雑すぎませんか……?」
K-08は静かに言った。
「人気がないので、強めにおすすめしています」
【タナカの適性結果】
タナカは期待して画面を見つめた。
・地球のオフィスワーク → 危険なし、空調あり、椅子あり
タナカはほっとした。
だが、次の行を見て固まった。
・精神的ダメージ指数:ブラックホール級
タナカは遠い目をした。
「結局ブラックなのか……」
【総括:適性試験の罠】
四人が震えていると、K-08が無表情のまま告げた。
「以上が皆さんの適性結果です。
なお、危険度の高い職種ほど“採用率が高い”ため、
入社試験では優遇されます」
タナカたちは同時に青ざめた。
タナカは静かに言った。
「……この会社、絶対に普通じゃないよな……」
K-08は満足げに光った。
「では皆さん、次は 銀河面接試験 の準備に入りましょう」
四人は、まだ知らなかった。
この適性試験こそが、銀河ブラック企業への第一歩だったことを。
