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銀河連合株式会社 #36 キャリアチェンジ

銀河連合本部の朝。
クル=ルは三つの目を輝かせていた。

「ついに……キャリアチェンジ制度が導入された……!
 これで今の部署から抜け出せるかもしれない……!」

触手族ゼル=マルが触手をしおらせた。
「クル=ル……期待しすぎるなよ……
 この会社の“制度”は、だいたい罠だ……」

光生命体ルミナは光を弱めた。
「前向きな制度ほど、社員を縛るために使われるのよ……」

タナカは静かに言った。
「僕は“希望部署に行ける制度”で
 なぜか今より忙しい部署に飛ばされました」

クル=ルは三つの目を丸くした。
「そんな……希望は通らないんですか……?」

そこへ無表情ロボットK-08が現れた。
「皆さん、おはようございます。
 本日より“キャリアチェンジ制度”を正式導入します。
 社員の希望を最大限尊重します。

クル=ルは勇気を出して聞いた。
「ぼく……別の部署に挑戦したいです……!」

K-08は淡々と告げた。
「素晴らしい意欲です。
 ではまず、現在の部署で成果を出してから申請してください。」

ゼル=マルが触手を震わせた。
「ほら来たぞ……“成果を出してから”のやつ……」

ルミナは光を弱めた。
「成果を出したら出したで、“今の部署に必要”って言われるのよね……」

クル=ルは必死に言った。
「じゃ、じゃあ……どうすればキャリアチェンジできるんですか……?」

K-08は満足げに光った。
「安心してください。
 キャリアチェンジ制度は“社員の成長を促すため”にあります。
 ただし、実際に異動できるかどうかは“会社の判断”です。」

その瞬間、端末に通知が届いた。

《キャリアチェンジ申請:却下
 理由:現在の部署での活躍が期待されるため
 ※期待は無期限です》

クル=ルは三つの目を伏せた。
「ぼく……逃げ道が……ない……」

ゼル=マルは触手をしおらせた。
「ここでは“制度”は社員のためじゃない……
 社員をつなぎ止めるための鎖なんだ……」

ルミナは光を弱めた。
「希望を出すほど……逆に縛られるのよね……」

タナカは静かに言った。
「ここでは、“キャリアチェンジ”は
 変わるための制度ではなく、変われないことを確認する儀式なんです。」

休憩スペースの照明がふっと揺れた(制度導入記念の節電)。

その日の勤務表には――
“キャリアチェンジ:希望(却下)” と自動的に記録されていた。

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