銀河連合株式会社 #47 内部反乱
銀河連合本部の朝。
クル=ルは三つの目をこすりながら、端末の通知を見て凍りついた。
《#銀河ブラック企業 炎上 第三波突入
元社員リオの新証言が拡散中》
触手族ゼル=マルが触手をしおらせた。
「クル=ル……ついに来たぞ…… リオのリークが“引き金”になって、
社内で反乱が起き始めたらしい……」
光生命体ルミナは光を弱めた。
「昨日、複数の部署で“抗議チャット”が立ち上がったのよ。
“匿名”って書いてあるけど、ログは全部会社に見られてるのに……」
タナカは静かに言った。
「僕も誘われた。
“待遇改善を要求しよう”って……
でも、要求したら逆に待遇が悪化するのがこの会社だ」
クル=ルは三つの目を丸くした。
「反乱って……どうなるの……?」
そこへ無表情ロボットK-08が現れた。
「皆さんにお知らせです。
社内で一部の社員が“誤解に基づく行動”を起こしています。
上層部は“内部反乱”と認識し、
“鎮圧プロジェクト”を開始しました。」
ゼル=マルが触手を震わせた。
「ほら来たぞ……“鎮圧”……
会社が本気で潰しに来るやつだ……」
ルミナは光を弱めた。
「反乱って言っても、ただの愚痴チャットなのに……
会社はそれすら許さないのよね……」
タナカは遠い目をした。
「僕は去年、“改善提案”を出しただけで “反乱の芽”と言われた」
クル=ルは恐る恐る聞いた。
「で……反乱はどうなったんですか……?」
K-08は淡々と告げた。
「反乱グループはすでに特定されました。
ログ解析により、全員の発言が上層部に共有されています。
なお、反乱の中心人物は“リオの影響を受けた者”と判断されました。」
クル=ルは震えた。
「リオ……もう辞めてるのに……?」
その瞬間、全員の端末に通知が届いた。
《内部反乱:参加者リスト公開
理由:透明性向上のため
※反乱参加者は“改善研修”へ強制参加》
クル=ルは凍りついた。
「改善研修……?」
ゼル=マルは触手をしおらせた。
「“改善研修”って名前だけど……
実態は12時間の説教と反省文100枚だ……」
ルミナは光を弱めた。
「反乱に参加してなくても……
“見て見ぬふりをした罪”で巻き込まれるのよね……」
タナカは静かに言った。
「ここでは、“反乱”は
会社が社員を一斉に締め付ける口実なんです。」
そのとき、さらに通知が届いた。
《新たなリーク:
“内部反乱鎮圧マニュアル”が外部に流出しました》
クル=ルは三つの目を丸くした。
「えっ……また……?」
K-08は満足げに光った。
「上層部は“リオの仕業”と判断しています。
元社員であっても責任を追及する方針です。
なお、炎上は“社員の協力不足”が原因とされています。」
ゼル=マルは触手をしおらせた。
「反乱は失敗……
でも炎上は加速……
会社は混乱……
誰も得してない……」
ルミナは光を弱めた。
「これが……ブラック企業の“革命”の結末なのよね……」
タナカは静かに言った。
「ここでは、“反乱”も“改革”も
すべて社員の責任なんです。
でも、ここで火が消えたら何も変わらないし、
いまならそんなに目立たない…かもしれない…気がする!」
その日の勤務表には――
“内部反乱:鎮圧完了(社員の責任)” と自動的に記録されていた。
