銀河連合株式会社 #38 24H365D
銀河連合本部の休日。
クル=ルは三つの目を細め、久しぶりの休息を味わっていた。
「今日は絶対に仕事のことを考えない……!」
触手族ゼル=マルも触手を伸ばしていた。
「俺も今日は触手のメンテ日だ……誰にも邪魔されたくない……」
光生命体ルミナは光をふわりと揺らした。
「久々に光量を落として休めるわ……」
タナカは静かに言った。
「今日は……平和だといいんですが……」
その瞬間、四人の端末が同時に震えた。
《至急:全員出社してください
理由:上が“なんとなく気になった”ため》
クル=ルは三つの目を丸くした。
「なんとなく……!?」
ゼル=マルは触手をしおらせた。
「ほら来たぞ……“なんとなく呼び戻し”……」
ルミナは光を弱めた。
「休日でも退社後でも、関係ないのよね……」
タナカは遠い目をした。
「僕は以前、深夜2時に“気になったから”で呼び戻されました」
そこへ無表情ロボットK-08が通信画面に現れた。
「皆さん、休日に呼び戻して申し訳ありません。
ですが“会社が必要と判断した”ため、出社は必須です」
クル=ルは震えた。
「で、でも……今日は休みで……」
K-08は淡々と告げた。
「休みとは、“呼び出されなかった場合に限り休み”です。
呼び出された時点で“勤務扱い”となります」
ゼル=マルが触手を震わせた。
「勤務扱いって……残業代は……?」
「もちろん出ません。
休日の呼び戻しは“自主的な協力”扱いです」
ルミナは光を弱めた。
「自主的……呼ばれてるのに……」
その瞬間、クル=ルの端末に追加通知が届いた。
《出社が遅れる場合:
“やる気が低い”として評価に影響します》
クル=ルは三つの目を伏せた。
「ぼく……休んでただけなのに……」
タナカは静かに言った。
「ここでは、“休み”は
呼び出されなかった時だけ存在する幻なんです」
休憩スペースの照明がふっと揺れた(休日なのに)。
その日の勤務表には――
“休日出社:自主的(強制)” と自動的に記録されていた。
