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こっちの日本昔ばなし #13 11ぴきのねこ

町には、「成果評価委員会」という厳格な組織があった。
ここでは、働いた者がどれだけ“成果を出したか”を数値化している。

ある日、11ぴきのねこが窓口にやってきた。
「ぼくら、大きな魚を捕まえたんだ。
 みんなで協力してね」

新人評価官のネコ山は書類をめくった。
「協力……ということは、
 “誰がどれだけ働いたか”分かりませんね」

ねこたちは顔を見合わせた。
「みんなでやったんだから、みんなの成果だよ」

ネコ山は淡々と答えた。
「委員会は“個人の成果”しか評価できません。
 分配も個人単位です」

数日後、委員会は騒ぎになっていた。
「魚の頭を取ったのは誰だ」
「しっぽを押さえたのは誰だ」
「働いていない猫が混ざっている可能性がある!」

ネコ山はため息をついた。
「……大きな魚より、“個人の成果”のほうが大事なんでしょうか」

課長は淡々と答えた。
「証拠がなければ、成果として認められない」

翌日、11ぴきのねこは再び窓口に来た。
「ぼくら、魚をみんなで食べちゃったよ。
 誰がどれだけ働いたかなんて、どうでもよかったから」

ネコ山は困ったように言った。
「それでは評価ができません。
 あなたたちの成果は“ゼロ”になります」

ねこたちは笑った。
「ゼロでいいよ。
 おいしかったし、楽しかったから」

ネコ山は言葉を失った。

その日の夕方、課長がつぶやいた。
「……本当に空っぽなのは、
 魚ではなく、“成果の判断基準”のほうかもしれんな」

窓の外では、11ぴきのねこが 楽しそうに昼寝をしていた。

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