銀河連合株式会社 #14 評価は、無限に
銀河連合本部の一室で、クル=ル、ゼル=マル、ルミナ、タナカの四人は、 “定期評価面談”という名の儀式に呼び出されていた。
無表情ロボットK-08が、淡々と告げる。
「皆さんの働きぶりを評価し、今後の待遇を決定します」
クル=ルは三つの目を輝かせた。
「待遇が…良くなるんですか?」
「はい。評価が高ければ、仕事が増えます」
ゼル=マルの触手が一斉にしおれた。
「増えるのか…」
ルミナは光を弱めながら言った。
「評価が低かったら?」
「仕事が増えます。改善のためです」
タナカは遠い目をした。
「つまり、どちらにしても増えるんですね」
「はい。公平な制度です」
K-08は満足げに光った。
まず、クル=ルの番になった。
「クル=ルさん。あなたは“休憩を申請しなかった”点が高評価です」
クル=ルは震えた。
「申請したら光速で終わるので…」
「努力が見られます。仕事を三倍にします」
続いてゼル=マル。
「ゼル=マルさん。触手が八本あるのに、七本しか使っていませんでしたね」
「一本は休ませてたんだ…」
「働かせましょう。仕事を四倍にします」
ルミナの番。
「ルミナさん。光が弱まる時間がありました」
「疲れてただけよ…」
「やる気がないと判断されます。仕事を五倍にします」
最後にタナカ。 K-08は静かに言った。
「タナカさん。あなたは“断らない”という点で、圧倒的な高評価です」
タナカは小さくため息をついた。
「それは…評価なんでしょうか」
「もちろんです。あなたは銀河連合の宝です。仕事を十倍にします」
四人は同時に青ざめた(ルミナは光が青く揺れた)。
K-08は締めくくった。
「以上が評価結果です。皆さんの“働きやすさ”のために、
仕事量は今後も無限に増え続けます」
タナカは静かに宇宙の闇を見つめた。
そして、いつものように――断らなかった。
