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銀河連合株式会社 #28 引き継ぎは、永遠に

クル=ルは三つの目をこすりながら席に座った。
今日から新しい業務を任されたのだ。

「前任者の引き継ぎ資料はどこですか?」
クル=ルは隣の触手族ゼル=マルに尋ねた。

ゼル=マルは触手をしおらせた。
「前任者? いないぞ。昨日、突然“異動”になったらしい」

光生命体ルミナが光を弱めながら言った。
「異動って言っても、行き先は誰も知らないのよね。
 本人のデスクも、朝には空っぽだったわ」

タナカは静かに言った。
「とりあえず、残された資料を探しましょう」

四人は前任者のデスクを開けた。
中には、一枚のメモだけが残されていた。

《引き継ぎは完了していません。
 まだ終わっていません。
 終わるはずがありません。。。》

クル=ルは三つの目を丸くした。
「これ…どういう意味ですか?」

ゼル=マルが触手で机を叩いた。
「知らん。だが、嫌な予感しかしない」

そのとき、クル=ルの端末が震えた。
新しい通知が届いている。

《クル=ルさんへ:前任者の“未完了タスク”をすべて引き継ぎました》

クル=ルは青ざめた。
「未完了って…どれくらい…?」

端末の画面には、 スクロールしても終わらないタスク一覧が表示されていた。

ルミナが光を弱めた。
「これ…何年分あるのかしら」

タナカは静かに言った。
「“終わるはずがない”という言葉の意味が分かったような。。。」

そこへ、無表情ロボットK-08が現れた。
「クル=ルさん、前任者のタスクをすべて引き継いでいただきありがとうございます。
 なお、前任者は“引き継ぎが終わらなかったため”、異動となりました」

クル=ルは震えた。
「ぼくも…終わらなかったら…?」

K-08は満足げに光った。
「もちろん、“異動”になります。
 異動先は――前任者と同じ場所です」

その瞬間、端末に新しい通知が届いた。

《引き継ぎタスクが更新されました。
 前任者の“前任者”のタスクも追加されました》

ゼル=マルが触手を震わせた。
「前任者の…前任者…?」

タナカは遠い目をした。
「つまり、引き継ぎは……」

ルミナが光を弱めながら言った。
永遠に終わらないのよ

休憩スペースの照明がふっと揺れた。
クル=ルの端末は、まだスクロールし続けていた。

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