銀河連合株式会社 #5 銀河面接試験
銀河連合株式会社は、あらゆる惑星から優秀な人材を集めるために
「銀河面接試験」 を導入した。
その日、面接会場に来たのは 触手族のゼル=マル、光生命体のルミナ、クル族のクル=ル、そして地球人のタナカ。
案内役は、無表情ロボット・K-08。
【受験者その1:ゼル=マル】
面接官ロボットが淡々と聞いた。
「あなたの特技は?」
ゼル=マルは胸を張った。
「触手で同時に12の作業ができます!」
面接官は静かに言った。
「では、同時に 13 の作業をしてください」
ゼル=マルは触手を震わせた。
「む、無理だ……!」
しかし面接官は満足げに光った。
「限界を知ることは大切です。
“限界を超えようとする姿勢”を評価し、合格です」
ゼル=マルはぽかんとした。
【受験者その2:ルミナ】
ルミナは自信満々に光を強めた。
「私は光速で移動できます!」
面接官は頷いた。
「では、光速を 超えて ください」
ルミナは一瞬で消え――
次の瞬間、会場の後ろにふわりと再出現した。
「……無理でした」
面接官は満足げに光った。
「挑戦しただけで十分です。
“無茶ぶりに耐える能力”を評価し、合格です」
【受験者その3:クル=ル】
クル=ルは緊張しながら言った。
「ぼ、僕は三つの目で広い範囲を見渡せます!」
面接官は淡々と答えた。
「では、三つの目で 未来 を見てください」
クル=ルは青く光った。
「未来なんて見えません……!」
面接官は満足げに光った。
「正直であることは素晴らしい。
“無理な要求に正直に困る力”を評価し、合格です」
【受験者その4:タナカ】
タナカは椅子に座り、深呼吸した。
面接官が聞いた。
「あなたの特技は?」
タナカは少し考えてから答えた。
「……特にありません。でも、残業はできます」
面接官の目が光った。
「素晴らしい!
あなたは“銀河ブラック企業支部”に最適です。合格です!」
タナカは驚いた。
「えっ、他の三人は……?」
面接官は静かに言った。
「皆さん、合格です。
優秀すぎても、優秀でなくても、
この会社は“人手不足”なので全員採用です」
タナカは静かに宇宙の闇を見つめた。。
【総括:全員合格の理由】
面接官は満足げに光った。
「では皆さん、初日は宇宙船の雑巾がけからお願いします。
勤務時間は “日の出から日の出まで” です」
四人は同時に青ざめた。
「……入社前から、もうブラックだ……」
こうして四人は、
銀河ブラック企業サーガの第一歩を踏み出すことになる。
