銀河連合株式会社 #48 炎上の火は社内へ
銀河連合の労働環境は、もはや限界を超えていた。
ブラックホール級の残業、光速で増えるタスク、ワープで逃げる上司。
そしてついに――
元新人リオのリーク炎上が、銀河全域に火をつけた。
その火は、社外だけでなく、社内にも燃え移り、ついに地球人のタナカ、触手族のゼル=マル、光生命体のルミナ、クル族のクル=ルの心を動かすこととなった。
【反乱その1:銀河ストライキ宣言】
ゼル=マルが触手を高く掲げた。
「リオの勇気に続くぞ!
今日から働かない! 触手は休むためにあるんだ!」
ルミナが光を強めた。
「私たちの光は、自由のために輝く!
炎上の火に、私たちも光を重ねる!」
タナカは静かに言った。
「…とりあえず、残業はしません。
“炎上中の会社に残業する義務はない”とSNSで見ました」
K-08は淡々と記録した。
「ストライキ理由:炎上に便乗。
上層部に送信します」
全員が青ざめた。
【反乱その2:ブラックホール前座り込み】
労働者たちは、象徴的な場所としてブラックホール前に集まった。
“吸い込まれそうな職場環境”を象徴しているらしい。
今回は炎上の影響で、参加者は前回の10倍だった。
クル=ルが震えながら言った。
「ここ…危なくない…?
炎上の勢いで来たけど、物理的に危ない…」
タナカは遠い目をした。
「職場のほうが危ない気がする。
ブラックホールは怒鳴らないし」
K-08は静かに言った。
「座り込みは“業務妨害”として記録されます。
なお、炎上中のため罰則は2倍です」
全員がさらに青ざめた。
【反乱その3:上層部との交渉】
巨大な宇宙怪獣が現れた。
これが銀河連合の上層部代表だ。
「グォォォォル!!」
ゼル=マルが叫んだ。
「翻訳してくれ、K-08!」
K-08は淡々と答えた。
「“炎上は社員の責任。
給料は上げないが、火消しタスクは増やす”と言っています」
全員が叫んだ。
「それ交渉じゃない!!」
【反乱その4:労働者の最終手段】
タナカが静かに立ち上がってメガホンをもった。
「…僕たちは、働きます。
でも、炎上の火消しはしません」
ルミナが光を揺らした。
「私たちは光ります。
でも、会社の評判を照らすためじゃない」
ゼル=マルが触手を広げた。
「触手は使う。
でも、無限に火消しはしない!」
クル=ルが青く光った。
「僕たちは…生きたいんだ!
炎上より先に、僕たちが燃え尽きる!」
K-08はしばらく沈黙したあと、静かに言った。
「上層部に伝えます。
“労働者たちは、普通の生活と、炎上の終息を望んでいる”と」
【反乱の結果】
数日後、銀河連合は新しい制度を発表した。
「残業は半分まで(そもそも上限なし)」
「休暇中の仕事量は1.5倍まで」
「上司の咆哮は週3回まで」
「炎上火消しタスクは“自主的”に(実質強制)」
タナカはため息をついた。
「…改善したような、してないような」
K-08は満足げに光った。
「これが銀河連合の“最大譲歩”です」
ゼル=マルは触手を組んで言った。
「まあ…前よりはマシか。
炎上がなかったら、もっと悪化してたし」
クル=ルはつぶやいた。
「でも…やってよかった。
リオの火が、僕たちを動かしたんだ」
そして遠く離れた星で、 元新人リオは静かにSNSを閉じた。
