銀河連合株式会社 #27 パワハラの相談?
銀河連合本部の夕方。
クル=ルは三つの目を震わせながら、仲間たちの前に立っていた。
「ぼく……今日、上司にまた怒鳴られて……
胸ぐらを掴まれ投げられました。
もう限界で……”CHATパイロット”に相談した所
警察案件と言われ、警察に相談したんだ……」
触手族ゼル=マルが触手をしおらせた。
「クル=ル……それは……勇気ある行動だ……
でも……この会社では危険だぞ……」
光生命体ルミナは光を弱めた。
「警察に相談したって聞いたら、上は黙ってないわ……」
タナカは静かに言った。
「僕はこの前、相談しただけで“会社への名誉毀損”と言われました」
クル=ルは三つの目を丸くした。
「名誉毀損……? ぼくはただ……助けを求めただけなのに……」
そのとき、無表情ロボットK-08が現れた。
「クル=ルさん。
警察に相談した件について、上層部が“重大な問題”と判断しました。」
クル=ルは震えた。
「問題……?」
K-08は淡々と告げた。
「はい。
会社のイメージを損なう行為として、
“法的措置を検討する”とのことです。」
ゼル=マルが触手を震わせた。
「ほら来たぞ……“被害者が加害者扱い”のやつ……」
ルミナは光を弱めた。
「パワハラを受けた側が責められるのよね……
ここでは“会社が正義”だから……」
タナカは遠い目をした。
「僕は“相談したこと自体が問題”と言われました」
クル=ルは必死に言った。
「で、でも……ぼくはただ……助けを……」
K-08は満足げに光った。
「なお、上層部はこう述べています。
“家族なら、外に相談せず社内で解決すべきだ。”
とのことです。」
クル=ルは三つの目を伏せた。
「家族……? ぼくを怒鳴りつけた人たちが……?」
その瞬間、端末に通知が届いた。
《警察相談:重大違反
理由:会社の信用を損なう可能性
対応:上層部が“訴訟検討”を開始》
クル=ルは凍りついた。
「ぼく……悪いことなんてしてないのに……」
ゼル=マルは触手をしおらせた。
「ここでは“助けを求める”ことが罪になるんだ……」
ルミナは光を弱めた。
「正義に頼ると……会社が本気で潰しに来るのよね……」
タナカは静かに言った。
「ここでは、“パワハラの被害者”が
会社にとっての脅威なんです。」
休憩スペースの照明がふっと揺れた(誰かがまた怒鳴られている音で)。
その日の勤務表には――
“警察相談:重大違反(会社が被害者)” と自動的に記録されていた。
