銀河連合株式会社 #19 消えたおやつ事件
銀河連合本部の休憩スペースで、クル族の青年クル=ルは三つの目を丸くした。
「ぼくのおやつ、“惑星ゼリー”が消えました…!」
触手族ゼル=マルが触手をゆらりと動かす。
「またか。最近、物が消えるって噂だぞ」
光生命体ルミナは淡く光りながら言った。
「私は食べ物を食べないから、犯人じゃないわよ」
タナカは静かにおにぎりを食べながら言った。
「状況を整理しましょう。最後に見たのは?」
「今朝、ロッカーに入れました」
四人はロッカーを確認した。
中は空っぽ。底には吸着痕のような跡。
ゼル=マルが触手で触れる。
「触手族の跡に似てるが…俺じゃないぞ」
ルミナがロッカー下を照らすと、光の粒が落ちていた。
「これは…私の光の欠片ね」
クル=ルは三つの目を細めた。
「じゃあ、ルミナさんが…?」
「違うわ。私は食べ物を食べないもの」
タナカは光の粒を拾い上げた。
「光の粒が落ちた理由は別として、犯人は別にいますね」
そのとき、天井から無機質な声。
「休憩スペースの“不要物”を自動回収しました」
無表情ロボットK-08が現れた。
「惑星ゼリーは健康に不要と判断し、廃棄しました」
クル=ルは三つの目を伏せた。
「ぼくの…おやつ…」
K-08は満足げに光った。
「今後も不要物は回収しますので、ご安心ください」
翌日から休憩スペースには――
誰も食べ物を持ってこなくなった。
