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高値査定だけで選ぶと危ない。不動産営業マンの良い選び方

福岡で不動産売却を専門にしております、野口と申します。

本日は、不動産を売却するときの「良い営業マンの選び方」についてお話しします。

不動産の売却を検討すると、一括査定サイトなどを利用される方も多いと思います。  
すると、複数の不動産会社から連絡が入り、それぞれの会社から査定金額を提示されます。

「当社なら高く売れます」  
「ぜひ弊社にお任せください」  
「このエリアは得意です」  

このような話を聞くと、どの会社に任せるべきか悩まれる方も多いのではないでしょうか。

不動産は、人生の中でも大きな資産です。  
それにもかかわらず、数十分の面談や数回の電話だけで、営業マンの本質を見抜くのはかなり難しいと思います。

だからこそ、私は「査定金額の高さ」だけで営業マンを選ぶのは危険だと考えています。

良いことばかり言う営業マンには注意が必要


不動産営業マンは、当然ですが、自分の会社に売却を任せてほしいと考えています。

そのため、売主様に気に入っていただくために、物件の良いところばかりを話す営業マンもいます。

「立地が良いですね」  
「室内がきれいですね」  
「このマンションは人気がありますね」  
「この土地は希少性がありますね」  

もちろん、物件の良いところを見つけることは大事です。  
売却活動では、その物件の魅力を買主様に正しく伝える必要があります。

ただし、不動産には必ず良いところと悪いところがあります。

例えば、マンションであれば、

・築年数が経過している  
・管理費や修繕積立金が高い  
・室内のリフォームが必要  
・眺望や日当たりに弱点がある  
・同じマンション内で競合物件が出ている  

土地や戸建であれば、

・前面道路が狭い  
・高低差がある  
・越境物がある  
・再建築や建築条件に注意が必要  
・解体費用や測量費用がかかる可能性がある  

このようなマイナス面が出てくることもあります。

本当に信頼できる営業マンは、良いところだけではなく、売却時に不利になりそうな点もきちんと伝えてくれます。

そして、ただデメリットを伝えるだけではなく、

「では、どうすれば売れやすくなるのか」  
「どのように広告で見せれば印象が良くなるのか」  
「価格設定でどうカバーするのか」  
「事前にどんな資料を準備しておくべきか」  

ここまで提案してくれる営業マンは、かなり信頼できると思います。

私の考えでは、良い営業マンとは「耳ざわりの良いことを言う人」ではありません。  
売主様にとって必要なことを、良いことも悪いことも含めて、正直に伝えてくれる人です。

「どこの会社でも同じ」は危険


不動産会社を選ぶときに、

「大手だから安心」  
「地元の会社だから安心」  
「どこに任せても同じだろう」  

このように考える方もいらっしゃいます。

もちろん、大手には大手の強みがあります。  
地元会社には地元会社の強みがあります。

しかし、最終的に売却活動を実際に進めるのは、会社というよりも担当営業マンです。

同じ会社でも、担当者によって販売戦略、広告の作り方、買主様への説明、価格変更の提案、売主様への報告内容は大きく変わります。

不動産売却は、ただインターネットに掲載すれば終わりではありません。

・どの価格で売り出すか  
・どの写真を1枚目に使うか  
・どの魅力を前面に出すか  
・どのデメリットを事前に整理するか  
・問い合わせが少ないときにどう改善するか  
・購入検討者にどこまで丁寧に説明するか  

こういった細かい積み重ねで、結果が変わります。

だからこそ、「会社名」だけではなく、「担当者がどのように売却を進めてくれるのか」を見ることが大切です。

一番高い査定金額の会社が、一番高く売るとは限らない


不動産売却でよくある失敗が、査定金額が一番高かった会社に任せてしまうことです。

もちろん、根拠がある高値査定であれば問題ありません。

例えば、

・同じマンション内で直近高値成約がある  
・同じエリアで需要が強い  
・室内状態が非常に良い  
・リフォーム内容に価値がある  
・希少性の高い条件がある  
・競合物件が少ない  

このような理由があれば、相場より少し高めに挑戦することは十分ありです。

問題は、根拠が薄いのに、明らかに高すぎる査定金額を提示してくるケースです。

例えば、周辺の類似物件が1,000万円前後で成約しているにもかかわらず、

「この物件なら2,000万円で売れます」

といった査定を出されるケースです。

売主様からすると、当然うれしい話です。  
大切な不動産ですから、少しでも高く売りたいと思うのは自然なことです。

しかし、売れる根拠がない高値査定は、売主様のためではなく、媒介契約を取るための営業トークになっている可能性があります。

最初は高い金額で売り出して、反響がない状態が続き、

「問い合わせが少ないですね」  
「案内が入りませんね」  
「少し価格を下げた方が良いかもしれません」  

という流れで、少しずつ価格を下げていく。

結果として、最初の査定金額とは大きく違う金額で成約することもあります。

もちろん、全ての高値査定が悪いわけではありません。  
ただし、「なぜその金額で売れると思うのか」を説明できない高値査定には注意が必要です。

安すぎる査定にも注意が必要


一方で、安すぎる査定にも注意が必要です。

高値査定とは逆に、営業マンが早く契約をまとめたいがために、相場より低い金額を提案するケースもあります。

売り出し価格が安ければ、問い合わせは入りやすくなります。  
買主様から見ても割安に見えるため、早く成約する可能性は高くなります。

しかし、それが売主様にとって本当に良い売却とは限りません。

本来であれば、もう少し高く売れた可能性があるのに、最初から安く出してしまうと、売主様の手残りが減ってしまいます。

営業マンにとっては、早く成約すれば仕事は進みます。  
しかし、売主様にとっては数十万円、場合によっては数百万円の差になることもあります。

だからこそ、査定金額を見るときは、

「高いか、安いか」

だけではなく、

「その金額になった理由は何か」  
「比較している事例は適切か」  
「高値で売れる可能性と売れ残るリスクを両方説明しているか」  
「売主側にとって納得できる販売戦略になっているか」  

ここを確認する必要があります。

査定金額よりも、根拠と説明の流れを見る


私が不動産会社を選ぶうえで一番大事だと思うのは、査定金額そのものではなく、査定の根拠です。

不動産の査定では、通常、周辺の成約事例や売出事例を参考にします。

ただし、ここにも注意点があります。

営業がうまい人ほど、自分の話を通しやすいデータの見せ方ができてしまいます。

例えば、同じマンション内で10件の成約事例があったとします。

その中には、高く売れた部屋もあれば、安く売れた部屋もあるかもしれません。

高く査定したい営業マンは、高値成約の事例を中心に見せるかもしれません。  
安くまとめたい営業マンは、安値成約の事例を中心に見せるかもしれません。

どちらも「実際のデータ」ではあります。

しかし、データの一部だけを見せられると、売主様は判断を間違えてしまう可能性があります。

大事なのは、複数のデータを見ながら、全体の流れを確認することです。

・同じマンション内の成約事例  
・同じエリアの類似物件  
・現在販売中の競合物件  
・成約までにかかった期間  
・リフォームの有無  
・階数や方角  
・専有面積  
・駐車場の有無  
・管理費や修繕積立金  

このような要素を総合的に見て判断する必要があります。

1つの事例だけで判断するのではなく、複数の事例を並べて、どのあたりが現実的な価格帯なのかを考えることが重要です。

一括査定を使うなら、複数社の資料を比較する


一括査定サイトを使う場合、複数の会社から査定書や根拠資料が届くと思います。

このときに大切なのは、一社の資料だけを鵜呑みにしないことです。

各社の査定金額を見るだけではなく、どの事例を使っているのか、どのような説明をしているのかを比較してみてください。

例えば、A社は4,000万円、B社は4,300万円、C社は4,800万円と査定したとします。

このとき、単純にC社が一番良いとは限りません。

見るべきポイントは、

・C社の4,800万円に根拠があるのか  
・A社の4,000万円は低すぎないか  
・B社の4,300万円が現実的なラインではないか  
・各社が使っている成約事例に偏りはないか  
・販売開始価格と成約予想価格を分けて説明しているか  

こういった部分です。

不動産売却では、「売出価格」と「成約価格」は別です。

高く売り出すことはできます。  
しかし、その金額で成約するかどうかは別問題です。

良い営業マンは、

「この金額で売り出すことはできます」  
「ただし、反響が少なければこの時期に価格調整を検討しましょう」  
「成約の現実ラインはこのあたりだと思います」  

というように、売出価格と着地点を分けて説明してくれます。

この説明があるかどうかは、かなり大事なポイントです。

デメリットを伝えて、改善策まで出してくれる人を選ぶ


不動産売却で信頼できる営業マンは、デメリットを隠しません。

ただし、売主様を不安にさせるだけでもいけません。

良い営業マンは、デメリットを伝えたうえで、改善策を提案します。

例えば、室内が古い場合であれば、

「リフォームしてから売る方法もありますが、費用対効果を考えると、現況のまま販売し、買主様が自由にリフォームできる形で見せた方が良い可能性があります」

といった提案ができます。

写真映えしにくい物件であれば、

「照明をつけて、カーテンを開けて、明るい時間帯に撮影しましょう」  
「水回りや玄関を重点的に整えるだけでも印象が変わります」

と提案できます。

土地に弱点がある場合であれば、

「道路幅員や越境の確認を早めに行いましょう」  
「買主様が不安に感じる部分は、事前に資料を整えておきましょう」

と準備できます。

不動産売却は、問題点があること自体が悪いのではありません。  
問題点を把握せずに販売することが危険なのです。

先に弱点を整理し、説明できる状態にしておけば、買主様も安心しやすくなります。

今の時代は、インターネットに強い営業マンかどうかも重要


昔の不動産営業は、チラシ、紹介、店頭来店、電話営業などが中心でした。

もちろん、今でもそういった営業活動は大切です。

ただ、今の不動産売却では、インターネットでの見せ方が非常に重要になっています。

買主様の多くは、まずスマートフォンやパソコンで物件を探します。

そのときに、

・1枚目の写真で興味を持つか  
・タイトルやコメントで魅力が伝わるか  
・写真の順番が分かりやすいか  
・室内や周辺環境のイメージが伝わるか  
・他の物件と比べて印象に残るか  

ここで問い合わせ数が変わります。

不動産営業マンは、物件を預かったあとに、広告の見せ方を考えます。

写真をどう撮るか。  
どの写真を1枚目にするか。  
どの順番で掲載するか。  
どの言葉で物件の魅力を伝えるか。  
どの購入層に向けて訴求するか。

これらは、かなり大事です。

ただ物件情報を入力して掲載するだけでは、良い広告にはなりません。

買主様がインターネットで物件を見たときに、

「少し気になる」  
「内覧してみたい」  
「他の物件より良さそう」  

と思ってもらえるように設計する必要があります。

そのため、現場の営業力だけでなく、インターネットを使った集客や広告づくりが得意かどうかも、営業マン選びの大切な判断材料になります。

情報発信をしている営業マンは、人柄を確認しやすい


最近は、不動産営業マン自身が、YouTube、note、X、Instagramなどで情報発信をしているケースも増えてきました。

これは、売主様にとっても良い判断材料になると思います。

なぜなら、会う前からその人の考え方や人柄をある程度知ることができるからです。

不動産売却では、営業マンとの相性も大切です。

・説明が分かりやすいか  
・誠実そうか  
・売主様目線で考えてくれそうか  
・デメリットも正直に伝えているか  
・極端なことを言っていないか  
・発信内容に一貫性があるか  

こういった部分は、普段の発信を見ると何となく伝わります。

私自身も、YouTubeやnoteなどを通して、不動産売却に関する考え方を発信しています。

実際にご相談いただく方の中には、

「動画を見て相談しました」  
「考え方が分かったので連絡しました」  
「事前にどんな人か分かったので安心しました」  

と言っていただくこともあります。

これは、今の時代ならではの営業マンの選び方だと思います。

不動産会社のホームページだけではなく、担当者自身がどのような発信をしているかを見ることで、ミスマッチを減らすことができます。

良い営業マンを見分けるポイント


最後に、不動産営業マンを選ぶときに見ていただきたいポイントを整理します。

1. 高値査定だけでなく、根拠を説明してくれるか

査定金額が高いこと自体は悪くありません。  
ただし、その金額で売れる理由を具体的に説明できるかが大切です。

2. デメリットも正直に伝えてくれるか

良いことばかり言う営業マンよりも、弱点を正直に伝えたうえで対策を考えてくれる営業マンの方が信頼できます。

3. 成約事例を偏りなく見せてくれるか

一部の高値事例や安値事例だけでなく、全体の相場感を説明してくれるかを確認しましょう。

4. 売出価格と成約予想価格を分けて説明してくれるか

「いくらで売り出すか」と「最終的にいくらで成約しそうか」は別です。  
この違いを丁寧に説明してくれる営業マンは信頼しやすいです。

5. インターネット広告の見せ方に強いか

今の不動産売却では、写真、広告文、掲載順、キャッチフレーズが大切です。  
ネット上で物件をどう見せるかまで考えてくれる営業マンを選ぶべきです。

6. 人柄や考え方が事前に分かるか

YouTube、note、SNSなどで発信している営業マンであれば、相談前に考え方を確認できます。  
不動産売却は大きな取引なので、人柄を見て選ぶことも大切です。

まとめ


不動産営業マンを選ぶときに、査定金額の高さだけで判断するのは危険です。

高すぎる査定には、媒介契約を取るための営業トークが含まれている可能性があります。  
反対に、安すぎる査定には、早く成約させたいという営業側の都合が入っている可能性もあります。

大切なのは、査定金額そのものではなく、その金額になった根拠です。

そして、物件の良いところだけでなく、悪いところも正直に伝え、そのうえで改善策を出してくれる営業マンを選ぶことが重要です。

不動産売却は、売主様にとって大きな決断です。  
だからこそ、何となく会社名で選ぶのではなく、担当者の考え方、説明の分かりやすさ、データの見せ方、広告戦略、人柄まで見て判断することをおすすめします。

私の考えでは、良い営業マンとは、売主様にとって都合の良いことだけを言う人ではありません。

売主様の大切な資産を預かる立場として、良いことも悪いことも正直に伝え、最終的に納得できる売却につなげる人です。

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