シンプルながらも緻密に構成された本格派ミステリー_弁護側の証人/小泉喜美子
今回は「シンプルながらも緻密に構成された本格派ミステリー」の紹介です。
昭和30年代が舞台なので時代背景もあり、表現や環境に若干の違和感は感じるものの、終盤のトリックにあっと驚かされるのはとても気持ちが良いです。
これから本を読む方も既に読んだ方も記事を読んでいただけると幸いです。
以下、「作者」「概要」「物語のあらすじ」「感想」が続き、ネタバレはありません。
『弁護側の証人/小泉 喜美子』
作者
小泉 喜美子さん
生年月日:1934年2月2日
出生地:東京都中央区(旧・東京府京橋区築地)
最終学歴:東京都立三田高等学校卒業
概要
単行本発売日:1963年2月
文庫本発売日:2009年4月17日
出版社(単行本・文庫本の順):文藝春秋社・集英社文庫
物語のあらすじ
ヌードダンサーのミミイ・ローイこと漣子(なみこ)は八島財閥の御曹司・杉彦と恋に落ち、玉の輿に乗った。
しかし幸福な新婚生活は長くは続かなかった。
義父である当主・龍之助が何者かに殺害されたのだ。
真犯人は誰なのか?
弁護側が召喚した証人をめぐって、生死を賭けた法廷での闘いが始まる。
「弁護側の証人」とは果たして何者なのか?
日本ミステリー史に燦然と輝く、伝説の名作がいま甦る。
感想
小泉喜美子さんの代表作のひとつであり、女性作家としての鋭い視点が光るミステリーです。
物語は財閥令嬢の結婚をめぐる事件から始まり、裁判という閉ざされた空間で、弁護側と検察側、そして証人たちの思惑が交錯していきます。
一見オーソドックスな法廷劇に見えますが、読み進めるうちに巧妙なトリックが仕込まれており、最後にはあっと驚く展開が待ち構えています。
また、昭和30年代という時代背景も魅力のひとつです。
女性の立場や家族観、社会の階層意識などがリアルに描かれており、現代とは異なる倫理観が物語の緊張感をさらに高めています。
今読むと、当時の価値観とともに、人間の根本的な欲望や恐怖が変わっていないことにも気づかされます。
全体として、シンプルながらも緻密に構成された本格派のミステリーです。
古典的な雰囲気を楽しみたい方、トリックの完成度を重視する方に特にオススメの一冊です。
まだ読んでいない方に是非とも手に取って欲しい作品です。
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