普通のミステリーに飽きた人へ。かなりクセの強い一冊_死体の汁を啜れ/白井智之
今回は「普通のミステリーに飽きた人へ。かなりクセの強い一冊」の紹介です。
かなりクセのある作品だと思いますので、読まれる前にこの記事を読んでいただく事をオススメします。
そしてそれでも読みたい方に読んでいただきたいです。
これから本を読む方も既に読んだ方も記事を読んでいただけると幸いです。
以下、「作者」「概要」「物語のあらすじ」「感想」が続き、ネタバレはありません。
『死体の汁を啜れ/白井智之』
作者
白井 智之さん
生年月日:1990年生まれ
出生地:千葉県印西市
最終学歴:東北大学法学部卒業
主な受賞歴:
2023年、第23回本格ミステリ大賞・小説部門『名探偵のいけにえ 人民教会殺人事件』
2023年、「2023本格ミステリ・ベスト10」第1位『名探偵のいけにえ 人民教会殺人事件』
2024年、「2024本格ミステリ・ベスト10」第1位『エレファントヘッド』
概要
単行本発売日:2021年8月30日
文庫本発売日:2025年4月4日
出版社:実業之日本社
物語のあらすじ
この街では、なぜか人がよく殺される。
ならず者たちが謎を追う!!
ミステリ・ランキングを席巻する鬼才が贈る、前代未聞の死体パズラー!
豚の頭をかぶった死体、死体の腹の中の死体……
この街では、なぜか人がよく殺される。
殺人事件の発生率は南アフリカのケープタウンと同じくらい。
そんな牟黒市で見つかる一風変わった死体の謎を追うのは、文字の読めないミステリ作家、深夜ラジオ好きのやくざ、詐欺師まがいの女子高生、事件を隠蔽してばかりの刑事。
ミステリ・ランキングを席巻する鬼才が贈る死体大博覧会【EXPO】、開幕!!!
解説/東川篤哉
【目次】
前日譚
豚の顔をした死体
何もない死体
血を抜かれた死体
膨れた死体と萎んだ死体
折り畳まれた死体
屋上で溺れた死体
死体の中の死体
生きている死体
後日譚
解説『死体の汁を啜れ』を削れ 東川篤哉
感想
「死体の汁を啜れ」という、なかなかインパクトのあるタイトル。
タイトルだけでもかなりクセがありますが、実際に読んでみると、そのタイトルに負けないくらい強烈なミステリーでした。
舞台となるのは、架空の都市・牟黒市。
この街では、なぜか人がよく殺されます。
そして、この街で起こる事件には、普通の殺人事件ではなかなかお目にかかれないような、奇妙な死体が登場します。
本作は、そんな異常な死体をめぐる殺人ミステリーの短編集です。
まず面白いのが、登場人物の名前です。
思わず「冗談みたいな名前だな」と感じてしまう人物が登場するのですが、そこで描かれている事件はまったく冗談ではありません。
むしろ、かなり残虐です。
この「名前や設定はコミカルなのに、起こっていることはとんでもなく残酷」というギャップが、本作独特の面白さにつながっているように感じました。
そして、単純にグロテスクなだけの作品ではありません。
異常な状況や死体を前にして、「なぜこんな状態になったのか」「どうやって事件が起きたのか」を考えていく、本格的なミステリーとして楽しめます。
ただし、これはかなり重要な注意点です。
グロテスクな表現が苦手な方には、正直おすすめしません。
死体の描写がかなり強烈なので、「ミステリーだから大丈夫だろう」と軽い気持ちで読むと、なかなか刺激が強いと思います。
一方で、多少のグロテスク描写は大丈夫という方や、普通のミステリーでは物足りないという方には、かなり楽しめる作品ではないでしょうか。
短編集なので、一編ずつ区切って読めるのも個人的には良かったです。
そして、個人的に最後まで楽しめたのが、文庫版に収録されている東川篤哉さんの解説です。
作品そのものだけではなく、最後の解説まで「面白いな」と思える一冊でした。
グロテスクな描写とコミカルな人物設定。
そして、それらを包み込む本格ミステリー。
かなり人を選ぶ作品だと思いますが、ハマる人には強烈にハマる。
そんなタイプのミステリーだと思います。
「普通の殺人ミステリーにはちょっと飽きてきた」という方は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
ただし、読む前にもう一度だけ。
グロテスクな表現が苦手な方には、オススメしませんのでその点だけご注意ください。
ここまで記事を読んでいただきありがとうございました!!
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