ソロデビュー作で700ページ超の長編ミステリー_ダレカガナカニイル/井上夢人
今回は「ソロデビュー作で700ページ超の長編ミステリー」の紹介です。
以前紹介させていただいた、二人で一人の作家さんのソロデビュー作です。
楽しみにしてください。
これから本を読む方も既に読んだ方も記事を読んでいただけると幸いです。 以下、「作者」「概要」「物語のあらすじ」「感想」が続き、ネタバレはありません。
『ダレカガナカニイル/井上夢人』
作者
井上 夢人さん
作者の生年月日: 1950年12月9日
作者の出生地: 福岡県
作者の最終学歴: 多摩芸術学園映画科中退
作者の主な受賞歴:
1982年
第28回江戸川乱歩賞 - 『焦茶色のパステル』(岡嶋二人名義)
1985年
第38回日本推理作家協会賞(長編部門) - 『チョコレートゲーム』(岡嶋二人名義)
以前、紹介させていただいた「岡島二人」さんは二人で一人の作家でした。
その一人が「井上夢人」さんです。
覚えておいて損はないですよ。
概要
単行本発売日: 1992年1月20日
文庫本発売日: 1995年1月1日
出版社: 新潮社(単行本)、講談社(文庫本)
物語のあらすじ
おまえは誰だ? 僕から出て行け!
警備員の西岡は、新興宗教団体を過激な反対運動から護る仕事に就いた。
だが着任当夜、監視カメラの目の前で道場が出火、教祖が死を遂げる。
それ以来、彼の頭で他人の声がしはじめた。
《あなたはだれ?》と訴える声。
その正体は何なのか――?
井上夢人としてのデビュー作にして、ミステリー、SF、恋愛小説、すべてを融合した奇跡的傑作!
感想
警備員の西岡吾郎が新興宗教団体を警備することになった夜、道場から火事が発生し教祖が亡くなるという衝撃的な展開から物語は始まります。
その出来事の後、主人公の頭の中に他人の「声」が聞こえ始めるというSF的な設定に惹き込まれます。
この作品は、単なるミステリーとしてだけでなく、他人の意識が自分の中に同居するという設定から、人間の意識と身体という根源的なテーマを探求しているように感じられます。
教団の火事の真相を探るミステリー要素と、頭の中の「声」の正体探しというSF要素が絶妙に絡み合い、ページをめくる手が止まらなくなります。
特に、新興宗教というモチーフが物語に不気味さとリアリティを与えており、サスペンス感あふれる展開が魅力的です。
700ページ近い長編ですが、読者を飽きさせない構成と、ただの謎解きに留まらない深みのあるテーマ、そして哀切な人間ドラマが融合しており、読後には大きな感動と衝撃が残ります。
ミステリー、SF、そして恋愛小説の要素すべてを楽しめる奇跡的な傑作です。
井上夢人さんのソロデビュー作として、その才能を証明した一冊と言えるでしょう。
まだ読んでいない方に、是非とも手に取って欲しい作品です。
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