宝くじが人生を狂わせる――静かな恐怖が迫る一冊_身の上話/佐藤正午
今回は「宝くじが人生を狂わせる、静かな恐怖が迫る一冊」の紹介です。
あなたが買った宝くじが当選していたら?
その当事者になれる一冊です。
お金を持ったあなたは周りの方を本当に信用できるでしょうか?
これから本を読む方も既に読んだ方も記事を読んでいただけると幸いです。
以下、「作者」「概要」「物語のあらすじ」「感想」が続き、ネタバレはありません。
『身の上話/佐藤正午』
作者
佐藤正午さん
生年月日:1955年1月15日
出生地:長崎県佐世保市
最終学歴:早稲田大学第一文学部中退
主な受賞歴:1983年 第7回すばる文学賞『永遠の1/2』
概要
単行本発売日:2009年7月17日
文庫本発売日:2024年4月10日(新装版)
出版社:光文社
物語のあらすじ
“ついでのお使い”で買った宝くじが 女の運命の歯車を狂わせていく――
もしもあなたが当せんしたことをどうしても秘密にしておきたいのなら、だれにも話すべきではありません。
(『【その日】から読む本』第二部・第5章)
小都市の書店員、古川ミチル。
ほんの出来心から不倫相手を追って衝動的に上京するが、無断欠勤を続けるうちに所持金が底を突き始める。
逃避行直前、職場の同僚に“ついでのお使い”と頼まれた宝くじを交換したところ1等当選。
それを境にアバンチュールは一転、立て続けに起こる災厄に翻弄されていく。
秘密と嘘に追い詰められた末、ミチルを待ち受けていた運命は――。
感想
静かで淡々とした語り口の中に、じわじわと不安と緊張が積み重なっていく作品です。
日常の延長線上にある小さな選択が、少しずつ人生の歯車を狂わせていく過程がとてもリアルに描かれており、読み進めるほどに「もし自分だったら」と考えずにはいられませんでした。
周りの人の態度がお金によって変わる描写が本当に怖いです。
物語は派手な展開よりも、心理描写や人物の行動の積み重ねによって深みを増していきます。
そのため、一つひとつの場面が印象に残り、読み終えた後も余韻が長く続きました。
終盤に向かうにつれて物語の見え方が変わっていく構成も見事で、最後まで緊張感を保ったまま読ませてくれる一冊です。
ミステリーとしても、人間ドラマとしても読み応えがあり、静かな物語が好きな方には特におすすめしたい作品です。
ドラマ
『書店員ミチルの身の上話』
公開日:2013年1月8日(NHK総合)
出演者(役名:俳優名)
八重樫ミチル:戸田恵梨香さん
豊増省吾:高良健吾さん
北条雅人:柄本佑さん
井川正平:新井浩文さん
久保田:濱田マリさん
八重樫貴子:木村多江さん
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