Facebookがつないだ30年前の手紙。文通相手はオクラホマにいた
SNSってすごいなと思った出来事がありました。10年程前のことでした。当時、アカウントは持っていたものの、楽しみ方がよくわからず、ほぼ放置状態だったFacebook。ある日、メッセージが届いていることに気づきました。何気なく開いてみると、見慣れぬ外国人らしい名前と女性の顔のアイコン。迷惑メールかと思いつつも英語で書かれたメッセージに目を通してみると、こんな内容が書いてありました。
「〇〇さん(私の名前)!覚えていますか?私はアメリカのオクラホマ州に住んでいる〇〇〇〇です。今日、家の掃除をしていたら、30数年前にあなたと文通してた時の手紙がたくさん出てきました。懐かしくなり、Facebookでお名前を探したら見つけることができたので、メールしました。私は今、オクラホマでNuclear Medicine Technologistとして働いています・・・。」
思い出しました!そう、僕が中学生の頃、英語を習い始めたばかりで好奇心旺盛だった僕は、国際ペンフレンド協会のような会に入会し、紹介してもらったのが彼女だったのです。当たり前ですが30数年前はSNSどころかインターネットさえない時代。海外とのやりとりは手紙が主流。電話でさえ電話交換手に頼んでひと手間もふた手間もかけてやっと繋がるという時代でした。海外のことも本やテレビで見聞きするくらいしか情報を入手する術がなく、今みたいに大勢の外国人が日本に観光旅行に来るなんてこともありませんでした。未知の世界であるリアルな外国のことが知りたくて、国際文通という我ながらナイスな手段を見つけたのでした。
何ヶ月後かにようやく1通のエアメールが自宅のポストに届いた時は、飛び上がらんばかりのうれしさだったのを覚えています。外国(当時「外国」と言えば「アメリカ」を指すような時代でもありました)の同世代の女の子から手紙をもらうなんて、そりゃ日本のうぶな少年は飛び上がるでしょう!習いたての拙い英語で辞書を片手に一生懸命筆記体で手紙を書きました。とはいうものの13〜14歳の少年ですから、書く内容も「食べ物は何が好きですか?僕はハンバーグが好きです」程度のことだったと思います。手紙をポストに投函すると、返事が来るまでに早くても1〜2週間は待っていたと思います。ま、それが当たり前の時代ですから、あまり遅いとも思いませんでした。それに比べると今は世界中どこでも一瞬でメッセージが届くなんて、当時の僕には想像もつかないことだったでしょう。一瞬でやり取りできる便利さもよいけれど、毎日毎日首を長くして郵便屋さんが配達に来るのを今か今かと待つのも趣があっていいもんです。
しばらく彼女との文通が続きましたが、お互い何となく自然と途絶えたのでした。
それから30数年。オクラホマの彼女からのメッセージ。久しぶりに興奮しました。当時僕が送った何通もの手紙の写真まで送ってくれました。色とりどりの封筒や便箋。旅先からの絵はがきや日本の記念切手や硬貨まで写っていました。その写真を見て30年前の淡い記憶が蘇りました。懐かしいような恥ずかしいような不思議な感覚。でもすごくうれしかった。つくづくマーク・ザッカーバーグってすごいなと思いました。Facebookがなければ、こんな再会も不可能だったでしょうから。
それからというもの、お互いの誕生日にはFacebookを通じてお祝いのメッセージを送りあっています。
