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新卒入社したNTTドコモを辞めて、5人だけの会社で編集者になると決めるまで

この春、社会人3年目になりました。

そして新卒で入社したNTTドコモを退職し、株式会社WORDSの5人目のメンバーとして働いています。

WORDSは、社長の竹村さんと4名の編集者からなる小さな会社です。経営者の発信をサポートする「顧問編集者」という事業をメインに、本の出版などもやっています。

新卒で入社してから、わずか2年。転職するにはだいぶ早いタイミングで、自分のなかでも大きな決断でした。

とはいえ、勢いだけで飛び込んだわけではありません。

社会人になってから改めて、自分は仕事に対してなにを求めていて、どんなふうに働きたいのか、ずっと考えていたからです。

できるだけストレスの少ない職場を見つけよう

就職活動をしていたころは、「正しそうな選択肢」を見つけることに一生懸命でした。

そのころの自分が考えていたのは、「できるだけストレスの少ない職場を見つけ、プライベートを充実させよう」ということです。そうすれば生活も安定するし、やりたいことは仕事の外でやればいい。

いわゆるZ世代的発想です。でも趣味の多かった自分にとって、もっともスマートな考えに思えました。

「新卒で大企業に入ってから小さい会社に行くことはできるが、その逆は不可能だ」みたいなよくある言葉にも、わりと影響を受けていました。周りの友だちも、みんな名だたる企業に入っていく。

そうして最終的に選んだのが、NTTドコモでした。

会社として安定していて、働く環境も整っている。なんとなく自分のなかの「正しさ」にいちばん近い場所でした。

最初にドコモを選んでよかった

ドコモはとてもいい会社でした。

優しい人ばかりで、研修制度もしっかりしていて、働き方の面でも守られている。リモートワークもいっぱいしてました。「思ってたのと違うんですけど!」みたいなことは、ほとんどなかったと思います。

わずかな期間でしたが、たくさんの学びもありました。

私が配属されたのは、「営業部 営業戦略担当」という部署でした。ドコモがお店で扱っている携帯や家のWi-Fiなんかの売り上げを伸ばすため、施策を練ったりするチームです。

施策を打つときには数百万、数千万単位のお金がガンガン動きます。想像していた「1年目の仕事」よりもずっと裁量の大きい環境でした。

おかげで、仕事をきちんと前に進めるための基礎体力のようなものも、かなり鍛えられたと思っています。

次々に発生するタスクの優先順位付け。情報のリリースから逆算したスケジュール管理や合意形成。膨大な数字から示唆を見つけ、それを伝わる形にまとめること。

大きい組織のなかで働くと「ただ自分が頑張ればなんとかなる仕事」はほとんどありません。そういう点でも、最初の職場としてドコモを選んだことには、大きな意味がありました。

「これってなんのためにやっているんだっけ」

一方で、ずっと消えない違和感もありました。

「任されたことにちゃんと応えよう!」とひと頑張りしたあと、「あれ、これってなんのためにやってたんだっけ」と考えてしまう。

それがじわじわと苦しくなっていきました。1年目の終盤からだったと思います。

私のいた部署では、100スライドを超える会議資料を、チームで分担しながら作っていました。それもかなりの頻度で。何百人もの関係者が、リモート参加する会議で使われる資料でした。

もちろん、数字をきれいにまとめたり、複雑な情報を整理して上司から「わかりやすいね」と言ってもらえたりするのは嬉しいんです。

でも私は、その資料が「誰にどう届いて、何を変えているのか」という実感をどうしても持てていませんでした。

会議の参加者が何百人もいるってことは知っているのに、です。

販促施策も同じです。毎月のように大きなお金が動く施策を打つけど「現場にはちゃんと届いていないんじゃない?」「みんな薄々それをわかってるんじゃないの?」みたいな思いを消せないまま、すべてが回っていく。

「そんな環境を自分が変えてやる!」というパッションが足りなかったのかもしれないし、目の前のことに向き合いきれていなかったな、と反省もしています。

しかし、長い期間をかけて醸成されてきた空気や体制を1、2年目のペーペーが変えられるわけもなく。

ただただそこに飲み込まれていきました。

自分にとっての「仕事」

当時の日記を読み返すと「もっと意味のある仕事がしたい」みたいなことをよく書いていました。生意気だし、いま思うとちょっとズレてる気もします。

でも単純に、自分が少しでも「誰かの役に立っている」「どこかに影響している」と思えることに、もっと時間と気持ちを注ぎたかったんです。

「仕事は仕事」と割り切りながらこなすのではなく、上司を喜ばせるためにがんばるのでもなく。

自分で「これはいいぞ!」「世の中にいい影響があるかもしれない!」と思えるものを、ちゃんと考えながら働きたかったんだと思います。

会社が安定しているか、プライベートの時間を確保できるか。それももちろん大事です。人生だから。

それでも1日の大半を費やす「仕事」というものに納得感が持てないのは、意外としんどい。就活をしていたころは、それを考えきれていませんでした。

「とりあえずやろう」がない職場

WORDSでは、大学3年生の頃からインターン生として働いていました

ドコモで働くようになってからも、副業先として関わっていて。仕事が終わったあとにオフィスに遊びに行ったり、SNS投稿の案を作ったりしていました。

そんなWORDSのことを外から眺めながら、いつも思っていました。

この会社には「仕事だからとりあえずやろう」「先月もやってたし続けよう」みたいな空気がほとんどないんです。それが、自分にとってすごく希望に思えていました。

社員も4、5人しかいない会社だから、あたりまえかもしれません。無駄なことをする余裕はないし、ひとつの仕事を受けること自体が、会社を大きく変える意思決定になります。

でもきっと、そういう環境だからこそ、何をやって何をやらないか。何を大事にしたくて、何をやったら楽しいのか。そういうことを真剣に考えられるんじゃないでしょうか。

実際、いろんな発信に関するお問い合わせがあるなかで、「自分たちが関わることで成果につながるのか?」「本当にクライアントさんに喜んでもらえるのか?」みたいな会話が、オフィスではよく繰り広げられています。

そして、WORDSに関わる時間が増えれば増えるほど、「こんな環境で働くことができたら幸せだろうな」と思うようになっていきました。

そうなったら、もうズルズルと迷う意味はありません。

なにより「同じ悩みをずっと抱えながら、決断を先延ばしにするうちに10年くらい経ってました」みたいな未来が、怖すぎる。

そう思って、WORDSの竹村さんに「人が足りてなかったりしないでしょうか……?」とMessengerで連絡を入れ、課長に退職願を提出しました。

ちゃんと届くものじゃなきゃ意味がない

ということで、晴れてWORDSの社員になりました。

入社してからまだ1カ月も経っていないのですが、すでに入ってよかったな、と思うことばかりです。

やっぱり、ここには「なあなあな仕事」がないんです。

WORDSは編集者の会社です。「文章をまとめる仕事なんて、誰にでもできるんじゃない?」と思う人もいるかもしれません。とくにいまは、AIに頼めばそれっぽいものも出てくる時代です。

でも実際は、なにを目立たせて、なにを削るのか。どんな温度で伝えるのか。そこまで考えて、はじめて「読まれるコンテンツ」が生まれます。

そして、読まれるコンテンツだけが、人の心に残ったり、会社の印象を変えたり、次の行動につながります。つまり、ちゃんと届くものを作らないと意味がない

ここにいる先輩方の仕事を見ていると、その感覚が当たり前にしみついています。

SNSの投稿ひとつとっても「この文章のどこがおもしろいのか?」「誰に、どんな影響を与えたいのか?」が徹底的に考え抜かれている。

「そうじゃなくちゃ意味がないだろ!」というこだわりとプロフェッショナリズムをもって、文章を編んでいる先輩しか存在しません。(めちゃくちゃ体育会系な職場みたいですが、空気はものすごく穏やかであたたかいです)

そういう環境にいられることが、とても幸せです。

仕事のために別の人格を作らなくてもいい

あと、もうひとつ。自分の人生や趣味、生活の感覚が、仕事とつながってくるのって最高だな、と思います。

前の会社にいたとき、「会社のことは会社のこと」でした。金曜夜に業務用PCを閉じたら、月曜朝まで仕事のことをできるだけ考えない。そういう生活だったんです。

でもいまは、本で出会った気持ちいい表現や、友だちと居酒屋で笑ったこと、旅先の海のきれいさですら、ぜんぶ仕事につながってくる。

自分がなにを面白いと感じて、なにに心が動くのか。きっと、それを知ることが、人の心を動かすものを作ることにつながるからです。

そもそも私は、昔から何かを作ること自体にかなり惹かれるタイプでした。絵を描いたり、本を作ってイベントで売ったりすることは、いまでも趣味のひとつです。

書いたり編集したりする仕事への憧れも、本当はずっとありました。でも有名企業はあまりにも狭き門であり、出版不況が叫ばれる続けるこの時代。就活をしていたころは、そういう道は早々に諦めてしまっていました。

だからいま、自分のそういう感覚や興味を、仕事の外に置いておかなくていいことがすごくうれしいんです。

「ワークイズライフだ!」とはべつに思いません。

でも、仕事と生活がゆるやかにつながっていて、仕事のために別の人格を作らなくてもいい。これは自分にとって自然な気がするし、かなりありがたいことだと思っています。

この熱量を思い出せるように

出版業界での経験もないまま、とつぜん転職してきたことに対して、不安や焦りもたくさんあります。

もうすでに25歳。多くの友だちはひとつの職場で経験を積み、役職を持ったり、得意領域を築いたりしている年頃です。

でも同時に、いま私は自分にとって最高の環境をつかみとることができたんじゃないかな、と思えています。前みたいな言い訳をグチャグチャ言う余地もなくなりました。

だから一歩一歩ちゃんと力をつけて、大きな価値を生み出せる人間になりたいと思っています。先輩たちがそうしてきたように、妥協なくいいもの作って、関わる人の力になりたい。人の心を動かしたい。編集という仕事の楽しさを忘れずに、真摯にやっていきたいと思うんです。

「若いな」「安易だな」と思われるかもしれません。

新卒でせっかく入った大企業をすぐにやめて、小さな小さな会社に移る。「この不安定な時代に、大きな船を自ら降りちゃって……」って。

でも少なくとも、いまの自分は、この決断に自信を持てています。

それを忘れないために、書いておこうと思いました。何年たってもこの熱量を思い出せるように。

これからも一生懸命がんばります。

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