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【第14回】勝負どころを見極める ~絶対に負けられない山場を外さない~

皆さん、こんにちは。変革参謀の野本です。

前回は、当事者意識を持って自分の意志をぶつけることの重要性についてお話ししました。今回は、そうして日々の仕事に全力で向き合う中で、絶対に【負けられない山場】をどう見極め、どう乗り越えていくかという、勝負どころを見極めるというテーマでお伝えします。

常に全力で連戦連勝は理想にすぎない

仕事をする上で、いつも全力で困難に立ち向かっていく姿勢は非常に素晴らしいものです。しかしながら、人間である以上、常に120パーセントの力を出し続け、どんな案件でも連戦連勝を収めるというのは、理想ではあっても現実にはなかなか続かないものだというのもまた事実です。

皆さんにもこんな経験はないでしょうか。

  • 普段は問題なくスムーズにできている業務なのに、なぜか社長や上の立場の人が視察に来ているときに限って大きなミスをしてしまう

  • いつもは誤字脱字など全くなく完璧な資料が作れているのに、絶対に負けられない大切なコンペのプレゼン資料に限って、クライアントの社名を間違えるという致命的なミスを犯してしまう

  • 日常の小さな案件は次々と競合に勝っているのに、チームの予算達成がかかった瀬戸際の超大型案件に限って、信じられないような凡ミスから競合に案件を奪われてしまう

こうした、いわゆる「勝負どころ」や「山場」と呼ばれる重要な局面でやっちまったという痛い経験は、長くビジネスの現場にいれば誰しも一度や二度はあるはずです。

勝負どころの失敗は負の連鎖を生む

いくら普段の仕事ぶりをちゃんとしていても、いざという一番大切なときに失敗してしまうと、上司や周囲の人たちから「あいつに任せておいて本当に大丈夫なのか?」と疑念を抱かれてしまいます。

一度そういう目で見られ始めると、今までなら何も言われなかったような細かいところまで逐一突っ込まれるようになります。そして、どんどん対応が後手に回り、本来ならば必要ないはずの細かい報告資料の作成や、進捗確認のための無駄な会議が劇的に増える。

結果として、自分の時間が奪われ、ますます本来の仕事がうまくいかなくなるという恐ろしい悪循環に陥ってしまうのです。

だからこそ、「ここは絶対に負けられない!」という「勝負どころ」や「山場」を正確に見極める必要があります。そして、その「山場」に対峙する際には、普段の100パーセントではなく、120パーセント、150パーセントの力とエネルギーを集中して投入し、確実に勝ちきることが求められます。

「勝負どころ」で勝ちきることで周囲からの絶対的な信頼を獲得し、不要な管理や介入を防ぐ。そして、自分が思う存分、目の前の乗り越えるべきハードルと戦うための最適な環境を自ら作り出すこと。

それこそが、プロフェッショナルとしてのマネージャーの重要な仕事なのです。もちろん、自分の力が足りないときには、早めに正常な介入やサポートを自分から上司にリクエストすることも戦略の一つです。

勝負どころを見極める3つのサイン

では、具体的にどこが「勝負どころ」なのか。こればかりは経験やビジネスのセンスによる部分も大きいのですが、それなりに現場を見てきた私の経験から言うと、大きく3つの傾向があります。

  1. 一つ目は、スタートや折り返しなど切れ目の前後です。何事もそうですが、最初の出だしでつまずくと、それ以降の印象が最悪になってしまいます。だからこそ、新しいプロジェクトのスタートダッシュをいかに切れるかが極めて重要です。また、上期の終わりや下期の始まりなど、期の折り返し前後は全社的な注目度が上がるため、ここも確実に勝負どころになります。

  2. 二つ目は、何か変化が起きた直後、特にネガティブな変化の直後です。例えば、何か大きな失敗をしてしまった次のタイミングは超重要です。ビジネスにおいて【連敗】は絶対に避けなければなりません。久々に目標未達で終わってしまった翌月も同様です。1ヶ月だけの未達なら、たまたま調子が悪かったのかで済むかもしれませんが、それが2ヶ月連続となれば、周囲からの評価は一気に急降下します。また、人事異動や体制変更などの大きな変化があった直後も、周囲がどう転ぶか注視しているため山場となります。

  3. 三つ目は、会社や経営陣が注視している旬な話題に関わるときです。会社には必ず、その時々で経営上のホットなテーマというものがあります。原価率の改善なのか、人件費の抑制なのか、新規事業の立ち上げなのか。そうした会社が今まさに一番気にしている旬な話題に関連する報告をするときに、雑な内容だったり、ただ漫然と残念な結果を報告したりすれば、当然ながら大目玉を食らうことになります。常に会社の旬な話題が何なのかにアンテナを張っておくことが身を守る最大の防御になります。

ズルをせず真正面から乗り越える

最後に一つだけ注意点があります。「勝負どころ」を絶対に乗り切らなければならないからといって、虚偽の報告をしたり、数字をごまかしたりするようなズルは絶対にダメです。

もし状況が芳しくなかったとしても、「なぜその状況に陥ってしまったのか?」という原因や背景を深く分析し、それを踏まえた具体的で確実なリカバリー策をセットにして語ること。そして、報告を受けた相手に「それなら大丈夫だな」と心から納得してもらうことができれば、結果がどうであれ、その勝負どころはしっかりと【乗り切った】と言えるのです。間違った乗り越え方をしないよう気をつけましょう。

次回予告

今回は、絶対に負けられない「山場」を見極め、そこにエネルギーを集中させることの重要性についてお話ししました。次回は、そうした勝負の場で「いかにして勝つか」という、強みで勝負するということについてお話しします。自分の弱みは死なない程度に留め、強みを最大限に活かして成果を出すための考え方です。お楽しみに。

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