見出し画像

どうぞ写真を使ってくれ

自分がインターネットに初めて触れたのは、まだ平成の世に入って間もない1993年のことだった。自分は大学3年生で、理系大学の情報系学科に所属していた。ある日、講義の演習でUNIX端末がずらっと並んだコンピュータ室に入り、電子メールというものの送受信のやり方を習った。同じ部屋にいるクラスメイトに適当なテストメールを送り、その学生が座る席の端末がピコッと鳴ったか何かして、自分のメールが届いたことを知らせた。送った自分もその席まで行って、メールが届いたことを確かめた。数メートル離れた場所に送っただけのことだったが、そんなことで送った側も送られた側も大興奮だったのを覚えている。

上記の段落は昨日、別の文章のために書いたものだけど、ここまで書いてとりあえず下書きに突っ込んでおき、その後で全然違う記事を書き始めたものだから、下書きの文章は先をどう続けようとしていたのか記憶から飛んでいってしまった。でも、今から書こうとしていることにも流用できそうなので、そのまま使い回すことにする。さて、そんな初々しいメール演習から30年以上が経ち、インターネット経由で遠くの家族、知人、仕事関係者、それどころか会ったことのない誰かとやり取りすることが、すっかり日常となった。最初の頃は、掲示板で知らない人が質問していることの答えを自分が知っていたから、ちょっとドキドキしながら返事をしてみたら、それで解決したようで知らない相手に感謝されて、そんなことでも、おお、すげえ、遠くの知らない人の役に立てたのか!と目を見張る思いがした。これはどうも基本的に備わっている人情のようで、自分の持っているもので他人の役に立てるって何だかいいな、という気持ちは今でも変わらない。

ここnoteに「みんなのフォトギャラリー」という機能があって、ユーザー有志の方々が皆で自由に使っていいよという画像を公開していて、記事の見出し画像に困ったときに検索して使わせてもらえる、ということを知ったのはかなり最近だった。一回だけ使わせてもらって、これはなかなか便利じゃないか、と思ったのだけど、自分も写真を公開する側に回れることに昨日初めて思い至り、ちょっとやってみた。いつもは自分がスマホで撮った写真から適当に選んだものを記事にくっつけて公開している。その中からいくつか、誰かの役に立つかもしれないものをピックアップして、フォトギャラリーで共有してみた。やり方は下記の記事を参考にさせていただいた。とても分かりやすかったです。ありがとうございました。

今日になって、さっそく画像が使われたという通知が届き始めた。おうおう、遠慮は要らねえ、どんどん使ってくれ、と通知を眺めていたが、不思議なことに今のところ使われている写真はどれも同じで、特定の1枚が色々な記事の見出し画像になっているようなのだ。数えてみたら、記事執筆時点で10人の方が選んでくれている。以下の写真である。

今月の5日、雪が降った日に自宅居間の窓から撮った写真。珍しくキセキレイが窓の外の電線にとまっていて、これは綺麗だ!写真写真!と慌ててスマホのカメラを立ち上げて、とりあえずシャッターを押したというもの。直後に飛び去ってしまったけど、写真にはしっかり収まってくれていた。大急ぎで撮ったから元の写真には居間の壁も窓枠も写っていて、上の画像はかなり拡大してトリミングした。左右に何やらフィルターでもかかっているように見えるのは、結露した窓についた水滴。まったく偶然に撮れた一枚だけど、雪模様の白黒の背景にキセキレイの黄色だけが映えてとても綺麗なので、ある日のつぶやきに使った。

写真に関して、自分はほとんど見たものの記録としか捉えていない。ヘタに狙ったり構図を決めたりしても、自分の場合はかえってろくな結果にならないと思っている。そういう風に考えるようになったのは、以下の写真がきっかけである。

右下に日付が焼き付けてあることからもわかるように、いにしえのフィルム写真である。1999年9月、北海道旅行に行ったときに美瑛で撮ったもの。この有名な丘の風景がやはりとても綺麗だったので、何とか写真に収めようと色々撮ってみたのだけど、最終的に一番よく撮れていたのが風景でなくタクシーを撮ろうとしたこれだった。タクシーの天井にあった北海道形のサインを撮りたかったのだが、そんなものはまったく撮れておらず、風景はとても綺麗に収まった。この写真には撮影者の意図が全然反映されていない。

ここで、向学心のある人ならもっと写真を勉強したいと思うのだろうけど、自分が思ったのは、撮影者の意図なんか入れない方がいい感じに撮れるんだな、よし、ということだった。この後すぐにデジカメの時代になり、いくらでも失敗写真が撮れることになったので、とにかく数打ちゃ当たる方式で撮りたいものにカメラを向け、シャッターを切るだけに徹している。

そんなわけで、上記のように撮影者は何も考えずにシャッターを切っているだけの写真なので、そんなものでも気に入ってもらえたのならいくらでも使い回してほしいと思っている。今日の見出し画像何にしようかしら、とお悩みのあなたに、どうぞご遠慮なく。

いいなと思ったら応援しよう!