梅雨の日々と、食卓と。
暑くなってくると、さっぱりとしたものが食べたくなる。
オクラとミョウガ、キュウリやナスを細かく刻んで、山形の郷土料理のダシを仕込む。
納豆にまぜたり、お豆腐にかけたり。
ダシは、夏バテの救世主だ。

忙しない日々のなかで、台所に立つ時間は、私にとって、ふぅとひと息つける時間。
新鮮な食材を見ているだけでも、生きるパワーをもらえるような、と言ったら大袈裟かもしれないけれど。
見るからに新鮮そうな瑞々しい野菜を手に取ったとき、ふわっとあまじょっぱい香りの湯気が立ち込めるとき、ぱりっとおいしそうに魚が焼けたとき、盛りつけがぱっと決まったとき。
ごはんをつくっているあいだ、そんな小さなしあわせなひとときを積み重ねる。
休みの日は魚屋さんに行く。魚屋は私のパワースポットだ。
ツヤツヤ、ピチピチの魚たちを見るだけで元気になってくる。
気づけば次々と買い物カゴへ。


エビやカニ。
食べるのが面倒だけれど、このおいしさのためなら多少面倒でも、食べたい気持ちのほうが勝る。
海鮮丼や寿司のネタもおいしいけれど、あまり食べた気がしない。
やっぱり自分でむきながらムシャムシャ頬張りたい。
イワシはいつでも安い。そしておいしい。
地元の回転寿司では、いつも必ず〆イワシを注文していた。ひと皿では足りず、いつもふた皿。そのくらい、イワシが好き。
いつもたっぷり買って塩焼きにしたり、南蛮漬けにしたりする。
梅煮もつくってみた。
イワシを食べるたび、こんなにおいしいのに、こんなに安くていいのかなと思う。一尾100円もしない。
イワシが高級魚じゃなくてよかった。



マグロが実はそれほど好きではないのだけど、山かけ丼は好き。漬けにしたマグロにたっぷりとろろをかける。
夏になると食べたくなるのがホヤ。
でも魚屋さんで買ったホヤは地元で食べるホヤにはかなわない。帰省したときのお楽しみにとっておこう。

土用の丑の日が近いからか、鰻も売り出していた。でも、鰻はやっぱり高い。隣に並んでいた穴子が手頃だったから、穴子でちらし寿司をつくる。市販の蒲焼は日本酒で煮返すとふっくらする。

魚は塩焼きが好きだから、魚屋さんに並ぶ西京漬けや粕漬けはこれまでスルーしていたのだけど、一度買ってみたら、ハマった。
ドラマ『京都人の密かな愉しみ』のDVDを図書館で借りて、それに出演されていた大原千鶴さんの料理がとても美味しそうだったので、大原千鶴さんの料理本を立て続けに何冊か読んだら、京都っぽいものが食べたくなった。それで、行きつけの魚屋で西京焼きを買ってみたのだ。
ここのところ3週連続で西京焼きを買っている。
私のお気に入りは、銀タラとさわら。夫のお気に入りはメヌケ。
ごはんがすすむ、すすむ。
ふんわり、あまじょっぱくて、香ばしくて。

京風料理にハマっている
海の魚はもちろん、川魚も好き。
鮎も時期になって、ふっくら大きくなってきた。川魚特有の爽やかな香りと、さっぱりほくほくとした味わい。夏が来たなぁと思う。

鮎はそのまま食べてしまってあまりおかずにならないから、この日は冷しゃぶもつくった。冷しゃぶには最近買った旭ポンズをたっぷりと回しかける。旭ポンズは大原千鶴さんの著書で知った。すっきりとした味わいは、肉にも魚にも野菜にもあう。
あわせて生姜ごはんを炊く。具は生姜だけ。
出汁とみりんと醤油で味つけたシンプルな炊き込みごはん。生姜ごはんはこのまえ、職場の人とランチをしたお店で知ったレシピ。生姜だけでこんなにおいしいんだと感動して、真似をしてみる。素朴で味わい深い。
今年は、梅仕事もやってみた。
面倒くさそうだなと思っていた作業も、梅の香りを吸い込んでいるあいだにあっという間に終わる。

青梅で梅ジュースを仕込み、南高梅で今井真実さんのレシピの梅ダージリンをつくった。
梅ダージリンは、つくって次の日には食べられる手軽さがうれしい。
梅をフルーツのように味わえる。ヨーグルトに入れたり、水や炭酸で割ったり。

友人が旅行のついでに立ち寄ってくれた日、私のお気に入りの蕎麦屋と台湾スイーツのお店を案内する。
最近の休日はひとりで過ごしたり、夫と過ごすことがほとんど。
ひとりの時間も、夫との時間も大切な時間だし、楽しく過ごしているけれど、やっぱりだれかと会うっていいなぁと思う。
学生時代は、今日も明日も友だちに会えることが当たり前だったから、大人になってから友達と会うと、一日中一緒にいても物足りなく、話し足りないような気がする。
友人の笑顔に癒されて、おいしいものでお腹いっぱいになって、いい休日だった。やっぱり好きな人とおいしいものを食べるのはしあわせだなぁ。

来月も大学時代の友人と会う約束がある。
友人が久しぶりに連絡をくれて、会うことになった。忘れないでいてくれてありがとうと思う。
予定があるだけで、ぽかぽかとうれしい。
友人と遊んだ夜、夫が夜に鶏の唐揚げをつくってくれた。
いつもはモモ肉だけど、この日はムネ肉で。
これがびっくりするほどおいしくて。昼間に食べた蕎麦や台湾スイーツにも勝てちゃうかも、というくらい。
鶏の唐揚げは絶対モモのほうがおいしいと思っていたのだけど、塩麹に漬けたお肉はやわらかくて、さっぱりとしていて、モモ肉よりおいしいかもしれない。食べ応えもあって、モモ肉より安いし。またつくって〜と夫にお願いする。


ホタテの大葉揚げと
茄子の揚げ出しも一緒に
冷蔵庫を整理していたら、クリームチーズの賞味期限が切れていたことに気づく。サーモンとほうれん草とクリームチーズでキッシュをつくりたいと思って、チーズの特売の日に買っていたものだ。クリームチーズの賞味期限まで2ヶ月くらいあったはずなのに、先延ばしにしているうちに2ヶ月が過ぎ去ってしまったことになる。元来とても面倒くさがりなのだ。
慌ててサーモンとほうれん草を買って、キッシュをつくった。
つくってみると、もつさんのレシピのおかげで、どうして先延ばしにしていたんだっけと思うほど簡単にできるしおいしい。またチーズの特売の日には懲りずにクリームチーズを買ってしまうかもしれない。今度は賞味期限内にちゃんとつくりたい。

週末に水無月を買う。6月30日の夏越の大祓で食べるお菓子。ほんのりフライングして食べる。

今年も半分が過ぎようとしているのか、としみじみ。
いや、しみじみしている場合ではない。
やるべきことが全然終わっていないのだ。
というか、手をつけてすらいないことが多々ある。
とはいえ、焦っても仕方ない。
おいしいものを食べて、力をつけて、まずは健康第一に。ぼちぼち頑張ろうっと。
今年の残り半分も、いい時間を過ごせますように。
