見出し画像

日本人アルティスタによる練られたライブと、招聘アルティスタとの共演ライブ

2週続けて、週末にフラメンコライブを拝見してきました。
どちらも、出演者はプロ。そこそこのお値段。

ひとつめは、日本を代表するカンタオールとカンタオーラ(にしてバイラオーラ)、著名なバイラオールとバイラオーラが参加し(ギタリスタさんは私は初めて拝聴)、東京方面では何度も開催され、チケット即完の大人気ライブの、関西遠征版。

歌い手だけでなく、踊り手さんも、がっつり歌う演目が多くて、ライブ全体の7割くらいが歌がらみだった。カンテを本業とするおふたりの歌がヨカッタのはもちろん、バイレを本業とするおふたりの歌が、緊張感も、照れも、少し拙く感じるところも、そのすべてから、カンテに対する愛、敬意が感じられて、ほんとにほんとに、よかった。

フラメンコで大事なのは歌、ということは、だいぶ浸透してきて、歌を学ぶ人は増えてきたけれども、踊りへの理解を深めるために踊り伴唱用の歌を学ぼうとする人が多いなかで、このライブで踊り手さんが歌ったのは、歌が好きだから歌うタイプの歌。聴いていて、「そうよね。カンテの、そういうとこ、いいよね。なんかぐっとくるよね。たのしいよね!!!」って、抱きしめたくなるような歌声だった。

たぶん、出演者全員が、このライブのために、新しい挑戦を準備していて、これを舞台に乗せるために、けっこうな時間、一緒に練習していると思われ、支え合ってる感じも愛おしく……。

ほんとうに、楽しい時間だった。

そして、雇われ伴唱ではなくて、お客様の前で自分の好きな歌を好きなように歌う機会をつくりたいなぁ、などという想いが、ムクッと立ち上がる感覚がありました。(伴唱は伴唱ですごく楽しいのですけどね)




もうひとつのライブは、イ*リアぷれぜんつ、スペインから招聘したアルティスタと、日本人のプロバイレさんが共演するライブ。知り合いのプロバイレさんが、こういうライブに出演する際には、「ぜひ見に来てください~」というメッセージが来ます。応援の気持ちもありますが、ほんとに好きな踊り手さんなら、そこそこお高いチケット代を喜んで払って、見に行きます。

でもさ、こういうライブって、招聘したアルティスタを在日期間中に、できるだけ稼働させよう!という思惑が透けて見える感じで、当日あわせだし、アルティスタさんお疲れ気味(&やっつけ仕事っぽい)だし、せっかくの招聘アルティスタの良さが活かせていないというか、薄い感じが否めないのですよね。

招聘アルティスタの音楽で踊るプロバイレのみなさんも、チカラを出し切ることができず、「ホンモノのアルティスタと、当日あわせで踊る体験を、何とか乗り切った!」という感じで、それはそれで、悪くはないけれども、毎回、そんな感じだと、なんだかなぁという気になってしまう。
なんてゆーか、プロの技量を持った皆さん(あくまで日本人レベルだけど)による発表会っていう感じなんだよね~。

今回、私が応援の意味も込めてチケットを買わせてもらったプロバイレさんは、招聘アルティスタの音楽に、ガチバトルできるタイプの人なので、彼女のパフォーマンスには大満足なのですが、あとは、ちょっと眠かったりとか(をい!)。存じ上げないバイレさんだから、こちらの集中力スイッチが入らなかったせいもありますけどね。

こういうライブ、スペイン人のカンテとギターで踊れる機会が少なかった時代は、とても良い企画だったと思うのですが、日本に住むスペイン人アルティスタも増えてきた今、やる必要ある??という気がいたします。

出演するバイレさんも、お声がけを受けたら断り切れず……という側面もあるのではないかしらんという妄想も出てくる。で、それぞれが抱えるファンのかたに声がけをしてチケットを買って貰うでしょ。
プロバイレの皆さんは自分が企画・出演できるライブの数は限られるだろうし、ファンのみなさんも際限なくチケットを買えるわけではない。
となると、こういう、当日あわせのやっつけライブの存在が、上で紹介したような、日本在住アルティスタが集まって、企画を練って、しっかり練習するライブを行う余力を奪っているのではないかしら、と思うのですよ。

これ、結局、業界の未来を、食い潰してると思うんだなー。


同じようなこと、先日も書いたような気がするんですが、業界全体で、ちゃんと考えた方が良いのでは?と思っています。

いいなと思ったら応援しよう!

のりこ☆ 「きっと一生わからない」カンテ修行の記録 読んでくださってありがとうございました!