脱Adobe・脱Windows大作戦10 / Linuxの基本のキ
ターミナルエミュレーター
Linux関連の文章で、最近よく目にする言い方に、黒い画面というのがある。
いわゆる、CUI(Character User Interface)と呼ばれるインターフェイスである。
普通WindowsやMacの操作では、マウスを使ってコピーしたり削除したりする。
いわゆるGUI(Graphical User Interface)である。
そして、黒い画面のことをターミナルとか、ターミナル・エミュレーターなどと呼ぶ。
ターミナルは、そのコマンドを文字で入力して実行することで、マウスでやるのと同じことができるわけだ。
そんなのいちいちコマンドをタイプするより、クリックしたほうが便利だと思うよね。
実際、まぁそうだと思う。
ただ、以前にこんなことがあった。
写真を格納してあるフォルダーに、数百枚の写真が入っていて、撮った順番に写真が並んでいた。
この写真群の並び方を変えたかった。
つまり、同じ被写体が並ばないようにしたかったのだ。
フォルダーの中にあるファイル名の先頭に、ランダムなアルファベットや数字の文字列を追加してくれるようなソフトがないだろうか。
上から順にランダムな文字をファイル名の頭に加えていけば、アルファベット順に並べた時に順番が入れ替わる。それが狙いだった。
結構色々探したが、Macにはそれらしいものが見つからなかった。
Windows用のものには、その目的に使えそうなものがあったのだが、Macでは見つからなかった。
なければ作るという発想
例えば、アプリケーションの中で行われている処理も、突き詰めれば何らかの命令の組み合わせで動いている。
音楽を再生するソフトは、プレイボタンをクリックすると、音楽ファイルを再生するためのコマンドが実行されるようになっているのだ。
それならば、ターミナルでそのコマンドを入力して直接実行すれば、同じことができるのではないか?
つまりはそういうことなのだ。
誰かがアプリケーションを作ってくれるのを待っていなくても、自分でコマンドをキーボードから入力すれば、目的の作業を実行できるのである。
要するに、他人の世話にならなくても、自分でなんとかなるということだ。
無ければ作るという発想が、Linuxの根底にはある。
ターミナルを使い倒す
実際には、Macなどでも、ターミナルは使える。
現実に上で書いた写真の並び替えは、最終的にはMacのターミナルでやった。
そういうコマンドをファイルに書いて、そのファイルに実行権を与えておくことで、そのファイルを指定するだけで動作するようにもなる。
こうして使い出すと、色々と便利なことに気づいたりする。
例えば、写真フォルダに、RAWファイルと、JPGファイルが混在していたりする時に、JPGだけどこか他のフォルダーに移したいとか、削除したいとか、そういうケースは多いと思う。
ファイル名が同じで、拡張子だけが違う。
デジカメからパソコンへインポートするとよくあるケースだ。
GUIで見れば、フォルダの中にRAWファイルとJPGファイルが互い違いに並んでいたりする。
GUIでJPGだけを選ぼうとすると、一個一個クリックしていかなければならない。
そんなときでも、ターミナルからなら簡単だ。
rm *.jpg
これだけで、そのフォルダーにあるJPGファイルだけを即座に削除できる。
もちろん、残すべきファイルが含まれていないかどうか、事前に確認しておくことは必要だが。
いずれにせよ、ファイルがいくつあろうと、たったの8文字をタイプするだけだ。
こんな風に色々と便利なターミナルなのである。
そして、そんなターミナル自体アプリケーションであり、それぞれに使い勝手が微妙に違ったりするわけだ。
WezTermとYazi
俺が使っているターミナル・エミュレーターは、WezTermという。
これはシンプルで、そのくせタブなどの機能もしっかりある。
さらにはタブの中をいくつかに分けて使えたりする。
画面分割するような感じだ。
これが地味に便利だったりする。
例えば、何かを実行することで、フォルダやファイルの中身が変化したりする場合だ。
同じタブを分割できると、片方で実行画面、もう片方で結果を表示というような使い方ができる。
ウインドウを2つ並べなくても良いわけだ。
さらに、YaziというファイルブラウザをWezTermの中で使えるように設定した。
これはターミナルの中で、GUIのようにファイルブラウザを使うことができるようにするもので、一度使うと、離せなくなる。
キーボードだけでディレクトリ間を移動したり、ファイルのコピーやリネーム、フォルダの作成、さらにはファイルを開いて編集したりと、自由自在なのだ。
WezTermでいくつかタブを開いておいて、そのひとつでYaziを開いておけば、かなりの事が便利にできちゃうことになる。
何よりも、コマンドを打つ手をキーボードから離さなくても良くなる。
マウスに持ち替える必要がないわけだ。
これは小さいことだが、できると使い勝手が飛躍的にアップする。
また、タブをいくつも開くと、どのタブで何をしているのかわからなくなることがある。その度にタブを順番に開いて探すのでは面倒だ。
WezTermでは、タブにも名前をつけることが簡単にできる。
作業中のプロンプトで、コマンドと名前を入力するだけで名前をつけたり変えたりできる。
マウスに持ち替えて右クリックして、名前を入力、なんてことをしなくても良い。
何度でも即座に名前を変えることができるので、作業が変わるごとに名前も変えられる。
これは便利だ。
そしてこの組み合わせは、MacやWindows版もあって、色々な環境で、違和感なく使い方を統一できるのも魅力だったりする。
Linuxを使うということ
こうして、3画面それぞれに開いたアプリケーションを、キーボードで行ったり来たりしながら、作業ができるというのは、慣れるととても快適になる。
もちろん、マウスも使えるわけで、GUIの方がやりやすいことはそれでやれば良い。
要は選択肢が多いということなのだ。
これこそが、俺がLinuxをメインマシンにしていくことの肝になるのだとつくづく思うようになった。
GUIだけではなく、CUIという選択肢もある。
3画面は、ゲームのためだけではない。
日々の作業もこれで自由度が上がる。
最初は、ゲームが動けば良いと思っていた。
それが、今では、普通の作業もかなりの部分でLinuxでできるようになった。
今はMacに負う部分もまだまだある。
でも、WezTermが入って、Yaziが動いただけで、作業環境としては格段に動きやすくなった。
Linuxを使うことが、単にAppleやAdobeの呪縛から逃れるだけでは面白くない。
俺の中で、MacやPhotoshopを凌駕できたと思える環境になってこそ意味があるのだ。
そして、その手応えを今、俺は感じている。
