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「私は山登りが趣味の人じゃない」と何度も言った日

最初に断っておくと、私は本当に山登りが趣味の人ではない。もちろん山ガールではない。
この日は何度言っても信じてもらえなかったけれど、自分では山登りが趣味なんて、おこがましくて言えないから全力で否定したい。
しんどいのは嫌いだし、暑いのも嫌い、汗をかくのも嫌い、虫も嫌い、もちろん熊も嫌。運動も嫌い、走るのも遅いし嫌い、マラソンなんて幼稚園の時から仮病使ってたくらい無理、足がもつれてよくこけるし、地図も読めない。
歩くのは好きだけど。山歩きは好きだ。ただし、何らかの乗り物に乗って上まで行ってから歩きたい。
山を見るのは好きだし、山に囲まれた場所で過ごすのも大好き。山の上はちょっと涼しいから好きだし、緑も好き。絶景と言われると見に行きたくはなる好奇心が旺盛なタイプではある。
だけど山登りは好きじゃない。
ただ、1人で気ままに旅をして、旅先に山があったら気が向いたら歩いてみよっか、と思って登ってしまいがちな人だ。
これまでは、ネパールのポカラでダンプスら辺を3〜4日かけて登ったり歩いたりしたことはある。アンナプルナは雨雲で見えなかったが、マチャプチャレは時々見えて嬉しかった。
あとは、富士山に1人で登ったのと、スペインを東から西まで800km歩いた時に大雨の中ピレネーを越えた
私の登山歴なんてそんなもん。
旅先に海があればそこがインドでもボディーボードデビューしちゃうし、川があればそこがタイの山奥でもラフティングデビューするし、象がいれば象に乗る。メキシコやキューバに行けば初めてサルサを習ったりする。インドでもボリウッドダンスを習った
ノージャンルでその場所でやろうかなと興味を持ったことに初挑戦してしまいがちな人で、その一環で時々山に登ることもあるだけ。こんなこと言うと変な人を気取っているみたいな気がするがそうじゃない。気ままに旅をしていると、その地にもっと溶け込みたくなって、結果こうなるだけ。
そして、立山は、剱岳に一目惚れしたから近くで見たくて近づこうとしているだけで、山に登りたいわけじゃない。
今ここにいるのはただの剱岳への恋心。

というようなことを伝えたかった。
山で知り合って一緒に晩ご飯を食べた2人の山好きな男性(命の恩人くんとコミュ力半端ない兄さん)に、「山はよく登るの?」と聞かれてから色々と質問されて、少し省略しつつ答えたが、なかなか理解してもらえなかった。
そりゃそうだ。
コミュ力がはんぱないお兄さんから色々と質問責めにあったから答えていると、話せば話すほど「不思議ちゃん」だと言われた。
だけど違う。不思議ちゃんぶってる人じゃない。
「私って変わってるでしょ?」と思われたい人じゃない。簡単に話せば変な話だけど、一つ一つ時間をかけて説明すれば、なぜ私がこのようなことをしているのかもう少し見えてくるはずなんだが、話せば長い。
富士山に登ったのだって、スペインで知り合った欧米人たちの中に、富士山に登ったことのある人が何人もいて、彼らに富士山の素晴らしさを語られて、日本人なのに登っていないなんて…と思い帰国した年の夏に1人で登りに行っただけだとか、説明したら長くなる。その当時から私は電子マネー人間だったので、現金がなくなり山頂で何も買えずににドリンクもケチって買わずに急いで降りるような不届き者だ。山を舐めるな、と山登りが趣味の人から怒られてしまうかも知れない。
国内の山が富士山と立山縦走だけなんて玄人だとも言われ、趣味は山登りって堂々と言ったらいい、と山で出会った男性2人組にひたすら山登りを勧められた。
山を登り終わってから、彼らに勧められて山登りで使うyamapというアプリを入れた。山に登る人の多くが使っているアプリで、GPSで歩いている山が記録されたり、近くにいる人と繋がれたりするらしい。うーん、別に繋がらなくてもいいし、山登りが趣味じゃないけどな。まあいいや。
せめて、立山に登る前に入れておけば死にかけなかったのに(そう、死にかけたのです!助けてくれた命の恩人と、もう1人のコミュ力高い人と3人で晩ご飯を食べることになった流れについてはまた次回にでも)、とそこは少し後悔。
山ガールじゃないから、もう滅多に山に登らないのに。
2人に「もう認めた方がいい」と言われたが、本当に私は山登りが趣味じゃない。型にはめられたくないとか、そういうのも無くはないけど本当に違うのだ。
頑固だね、芯が通ってるね、と言われたがそうじゃないのよ。本当に山登りが趣味じゃないから。

普段は家で音楽を聞いたり映画を見たり本を読んだりする方が好きだし、ソロキャンプしてもテントの中で映画を見たりぼーっとしたりしてたし、精神的にはインドア派、文化系で、体育会系ではない、まあ私ってそういう人です。
趣味が映画、音楽だとは堂々と言える。趣味が放浪っていうのも言える。だけど私は山登りが趣味の人じゃない。
土砂降りの中、岩にしがみついていたけど家でゴロゴロしてる方が好きなタイプです。
山小屋を7:30に出て山に登り、土砂降りの中を歩き続けて10時間後の17:30に山小屋に戻ってきた1日だったけど(普通の人は6〜7時間のルートだと思われます)、家でソファーに10時間寝そべっているのが私の休日のオーソドックスな過ごし方なんです。
ただ、時々、こういうことをしたくなる人で、やらかしちゃう人なんです。そしてそういう時は大体土砂降りなんです。それは私のせいじゃない。
私の隣と前にいる山好きな男性2人は山の良さを語り、
「私は山登りが趣味の人じゃないねん」と私が言いながら一緒にビールを飲んだ。信じられないくらい美味かった。
山登りの後のビールで乾杯することは好きだ、ということだけは認めようと思った。

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これは一緒のルートを歩いた私の命の恩人くんが撮った山の写真。写真の左奥よりもさらに奥まで歩いたけど、今は信じられないくらい。こんな山、私が登るはずないし、この直後から土砂降りが降り出すなんて思いもやらなかったし、そんな中何時間も歩き続けたなんて、やっぱり信じがたい。

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