静岡が私をもてなしているかのような【日本平さわやかウォーキング編②】
次は、静岡を歩いてみることにした。
というのも、「静岡 さわやか」で検索をしていた時に、「静岡のさわやかウォーキング」というワードが間違って発見され、そのページを間違って開いてみると、なかなかの素晴らしい富士山の絶景写真がそこに載っていた。
なんと。いいじゃないの。
JR東海が「さわやかウォーキング」と名付けたイベントがあったようで、そのコースの一つが東静岡駅からの片道2時間くらいのウォーキングコースだった。駅から歩いて日本平という小高い丘の上まで上り、家康の墓がある久能山東照宮に寄り道して駅に戻るコースだった。
日本平という場所は、海も見渡せて富士山も眺められて最高の場所らしい。夢テラスというしゃれた名前の建物と日本平ホテルという高級ホテルとその中に富士山を堪能するための全面ガラス張りのカフェとおいしそうなケーキの写真も載っていた。さわやかでハンバーグを平らげた次はさわやかウォーキングだ(ケーキ目当て)、と意気揚々に電車で出発進行。次の目的地は東静岡駅となった。
18きっぷ 浜松駅~東静岡駅 行程③
浜松駅を11:51に出発。始発の電車で2両編成だったが端の席に座ってのんびりと本を読みながら進む。18きっぷで早朝に大阪を出発すると、大体静岡の手前まではほとんど寝ていて意識がないため、ようやく静岡から読書タイムの始まり。しかし今日は途中下車をし寄り道をするため小刻みに本を読むこととなりあまり集中はできなかった。
13:06に東静岡駅に到着。大きな静岡駅の1つ隣の駅だった。

東静岡駅で降りると「静岡市はいいねぇ」とさくらももこ先生がお出迎えをしてくれた。
ピーヒャラピーヒャラ、パッパパラパー。
あとやっぱり清水エスパルス。
この時の私の知る静岡の全てがここにあった。
そして、東静岡駅からドドーンと富士山が見えるらしい看板があったため見てみるが、晴れているのに全く見えなかった。
一抹の不安を覚える。
なぜだろう。
少し雲があるからちょうどあのあたりに隠れているだけだろう、まあいいや。気にせず進むことにする。

富士山が見えないけど、間違いなくそこにいるらしい方角。
さわやかウォーキングで日本平へ?
さわやかウォーキングのチラシの通りに進もうと思い、トイレを済ませて駅前を少しうろうろとしていたら、嘘のように、スーっと1台のバスが私の横に止まった。
バスの運転手さんが降りてきて
「日本平ホテルに行かれる方?」と私を誘ってきた。
日本平ホテルって日本平にあるよね…。
「ホテルの宿泊者専用のバスですか?」と聞いてみると、「いいえ、日本平に行かれるならご自由にどうぞ」と言ってくれたため、気づいたらバスに乗っていた。
さわやかウォーキングはさわやかバス旅に急変更。
「歩こうと思ってたんですよ」とバスの運転手さんに言うと、「え?山道だし、2時間半はかかりますよ。バスだと20分くらいですよ。」と言われた。
今日の靴は27㎝のコンバースだし(気に入ったがサイズがなかったためワンサイズ大きいものを買った。昔は和田アキ子並みのでかい足と言われていたが、最近は深キョンと同じサイズと言えるから気にしない)、山登りの格好をしてきていないから、正直助かった。
渡りに船、日本平にはバス。
ツイてるぞ私。
あちこち旅をしているとこういうことを感じる瞬間が時々ある。引きがいいというか、導かれるような気がしたり、世界が私を歓迎しているかのような勘違い。
でも今日もそんな感じがした。
静岡が私をもてなしているとすら思う驕り高ぶりな気分。
丘というよりも完全に山のてっぺんにあった日本平に到着すると、私を待っていたかのように風が吹いて、桜がちょうど風で吹雪のように散っていて、とてもドラマチックな気分になっていた。
日本平ホテルの入り口は厳重なる体温チェックが行われていた。アルコールを手に塗り込みまくって入館。
確かにそこには全面ガラス張りの広々とした空間のカフェがあった。アフタヌーンティー3200円なり。
でも、3000円で大阪からここまで来た私としては、おやつに3200円は出せなかったため、お客さんが割と入っているし、人のいない所へ行きたいし、人の多い所は色んな意味で避けたいし、と言い訳してそっとホテルを出た。

で、一体、富士山はどこですのん。
富士山だけは私を歓迎していないかのような。
山崎まさよしが頭の中で流れる。
いつでも探しているよ。どっかに君の姿を〜

富士山と書いてある岩は見つけたが、肝心の富士山が全く見えない。

ヤマトタケルノミコトがいたが、肝心の富士山がどこにもいない。
ちなみに、日本平はヤマトタケルノミコト伝説からきている由緒ある場所らしかった。日本に「日本」という言葉が地名に使われている場所はあまりないらしくそれだけありがたい場所らしかった。
夢テラスの展望台に上ってみたが、やっぱり、どこにも富士山がいなかった。
しかし、美しい海がそこには広がっていて、見えている方角のガラスに「三保の松原」と書かれていた。

なるほど。あそこら辺か。
綺麗な湾になっている。
ふと思った。
ここから歩いていけるんじゃないの、あの海の所まで。
そうしよう、そうしよう。
地図で見れば9kmだった。2時間もあれば楽勝だろう。
私は荷物が軽ければ、30km以内は徒歩圏内だし。(スペインを800km歩いた話はこちら)
私は、勝手にさわやかウォーキングのコースを新たに作り出し、三保の松原まで歩いて行くことにした。
ここで、時間のことを考えると、三保の松原に宿泊した方が良さそうだったため、三保の松原にある海に近い宿を探してネットで予約した。1泊がアフタヌーンティーと同じ値段だった。アフタヌーンティーをやめて正解だと思うことにした。
歩いていると、富士山はいなかったが、あちらこちらに春があった。



結局、コンバースでハイキングコースを歩いている人。



そういえば、静岡はお茶が有名だった。
茶畑を抜けて歩く。
台湾の阿里山のような景色。
「静岡のお茶を買って帰る」とiPhoneにメモした。
日本平ホテルのカフェで人に混ざってお茶するよりも、1人でてくてくと自然の中を歩いている方がやっぱり好きだ。誰1人として出会わない、私だけのさわやかウォーキング。

レンタサイクルで三保の松原へ
1時間半ほど歩いて街に出るとレンタサイクルのステーションがあった。ネットで使い方を調べてみると、静岡のあちこちにあるパルクルというシェアサイクリングのサービスで15分70円、12時間で1000円らしい。しかも電動自転車。
旅と言えばレンタサイクルな私なのだが、電動自転車というのは正直ありがたい。
早速使おうと思ったら、なんと、「レンタサイクルのクーポン券を1万円分プレゼント」された。
太っ腹過ぎるぞ静岡!1万円分も使えないが嬉しい。
やっぱりどう考えても、静岡が私を精一杯もてなそうとしている。ありがとう静岡。遠慮なく使わせていただきます。
という訳で、最後はさわやかサイクリングに変更。
日が暮れてきたので富士山の絶景の地、三保の松原へと急いで向かう。
マスクを外して1人、誰もいない道を駆け抜ける。
電動自転車に乗り、電気グルーヴ脳内再生。富士山!富士山!最高の気分。
三保の松原の中心にある観光スポット、文化創造センター「みほしるべ」の閉館ギリギリで到着し、滑り込みで展望台へ向かうと、入り口にこう書いてあった。

今日の富士山
「見えません…」
……!
せっかく大阪から富士山目当てで静岡までやって来たのに、そんな一言で終わらせないでおくれよ。
まったく、私の好きな山はいつでも私を焦らすんだから。
私はこう見えて(皆さんから見えてはいないですね)、どマゾなので焦らされるとたまりません、夢中になります、ハイ。
今日は仕方ないので富士山アタックは明日にして、閉店間際のお土産屋さんで静岡のお茶と富士山にまつわるお菓子などを買い漁り、宿へと電動自転車を走らせた。
時々、道中で出会う犬の散歩をしている人や、釣りをしている人を見かけると「富士山はどこですかー?」と遠くから聞いた。
全員が、真正面を指差していた。
そして口を揃えて「今の時期は見えないねぇ」とのこと。
え?そうなの?
PM2.5、黄砂、花粉、かすみ…。そしてその全部。
皆それぞれに、富士山が見えない理由を教えてくれた。
富士山が見えなくても、ここは素晴らしい景勝地には違いなかった。左手に松林、右手に海、正面に富士山の存在を想像しながら。波の音も良いし、気温もちょうど良い。
平日の夕方なので、海には誰もいない。
富士山が見えなくても最高。
しかし、私は何となく手応えを感じていた。
こんなにも静岡が私を歓迎しもてなしてくれているのに、富士山がちっとも私に顔を出さないで旅が終わるなんてありえない。
いいさ、今日は隠れていても。
明日、会おう。
明日、私をもてなしてくれ、富士山。
続く

静岡旅は、#静岡に何がある で更新中。
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