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2020年の5月に叶わなかった約束

コロナで世界がこんなことになっていなければ、
今頃、2020年の5月は、
1年目のカミーノでフランスからスペインの国境を一緒に越えたオランダ人のエイファとエリナと3人で、ポルトガルのポルトからスペインのサンティアゴに向かうカミーノを歩いて、また一緒に国境を越えているはずだった。そしてその後、スペインを気ままに旅する予定だった。


何年か前から、一緒にやろうと言っていた計画で、
なかなかタイミングが合わなかった。
何とか3人で3週間のバケーションを合わせることができたのが、今年の4月末から5月中旬だった。
休みも取って楽しみにしていた。
夢みたいな約束が叶いそうだったのに、
予想外の世界規模の事態で叶わなかった。

残念だけど仕方ない。

2人の住むオランダでは、3月中旬からロックダウンが始まり5/20まで続き、学校は5/11から開けるらしい。
日本の自粛要請の緊急事態宣言でさえ閉塞感が半端ないのに、2ヶ月もの完全なロックダウンなんて考えられない。あの美しい街アムステルダムが店もほとんど閉まって真っ暗なんて。

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2人はステイホームで仕事をしていて、
your room(見出しの写真がその部屋で、私が居候していた時に使わせてもらった部屋を嬉しいことにそう呼んでくれている)がエイファのオフィス、
オレンジ色の素敵なダイニングがエリナのオフィスになっている、と教えてくれた。
公園までの散歩は許されていて、2人で散歩をする時だけ外に出ているらしい。
海や山でアクティブに過ごすのが好きな2人にとっては窮屈なことだろうなと思う。
それなのに、私が今も仕事に行っていることをとても心配しながらも応援してくれていて、
「1日100回手を洗って100回ハンドクリームを塗ろうね!」という冗談を3人で言い合い、
アムステルダムと日本で離れていても、とても身近に感じるし、本当にいい奴らで心が温まる。

多分、3人でのポルトガルの道を歩く約束は
今後もう叶うことはないだろう。
旅をお預けにされた私たちは、自分たちのタイミングでこれから旅を再開することになる。
アジアからEUに入るのはコロナ禍以後、これまでより難しくなるかもしれない。
私もきっとこれまで以上に海外旅行に慎重にならざるを得ないだろう。

同じ約束をし直すよりも、
旅に出られることを優先して、オランダ組か私かどちらか(多分彼女たちになると思う)が先に、ポルトガルの道を歩くことになると思うし、それでいいと思った。
確かに、また3人で、今度はポルトガルからスペインへの国境をまたぐのはワクワクするような計画だった。
残念だけど、また違う計画を立てればいい。

今は、旅に出られる日がまた来るだけで充分だし、
あの2人が家から飛び出して、また自然の中で生き生きと歩ける日が来るだけで私も嬉しい。
何なら私はマスクを外して堂々と自然の中で深呼吸が出来るだけでも充分だ。

またエリナの大口を開けて笑う笑い声を聞きたいな。
またエイファの優しい眼差しを感じたいな。
また3人で特別美味しいわけじゃないごはんを食べて、
ゲラゲラ笑い転げたい。
そんな日を約束するだけで今は充分だ。

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