人は死なない


「お母さん、死んじゃうよ」

そう言われたのは私が骨折をして
プレートを抜いた三回目の手術の直後である

自分のことで精一杯
母のことなどかまえない

それでも母は頑張って生きてくれていた

けれど母は二ヶ月後、彼の世に旅立つ


その言葉を言った人は忘れている
でも言われた方は覚えている

私は傷ついた
今でも傷は残っている

その人のことを恨んでも仕方ない
頭ではよく分かる
でも心は納得をしてくれない


母はもう肉体のない世界で笑いながら過ごしている

そんなことは分かっている
魂は永遠で生き続ける

彼の世の花園で若い頃の姿に戻って生きている

大好きな父と一緒にニコニコしてる

それでも私には後悔がいっぱいある
もう少し、もう少し母に優しく出来たなら

ただ生きている時には分からない
肉体がある時には分からない
分からないことが多すぎる

いなくなってからの母との関係は深くなる

見えないけれど



そんな時、ふと母の読んでいた本を見つける

私も読もうと思って、手に取っていたが、ずっと読めないでいた
確かに途中まで読んでいた

医者なのに魂の存在を信じている人
本を沢山書いている

YouTubeでも話しをしている

不思議だが、やっぱり納得する

もう一度、手に取ってみる


母は死んでいない
肉体はなくなったが
魂は生き続ける

まだ途中だが幽体離脱の話しも書いている

私だって死にかかった時に幽体離脱を経験している

だから母が彼の世に飛び出した時、もう既に母の体には魂がいないと感じていた

魂は永遠で身体はいつか滅びる
それも頭では分かっている

しかしどうしても心の中では納得できない

ずっとずっとそばにいてくれていても私には見えない

それでもほんのちょっとずつ母がいるって感じてる


そうか人は死なないんだ

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