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きみのお金は誰のため

「今、面白い本を読んでいる、漫画版を図書館で借りたけど」

時々彼は自分の読んでいる本を私に教えてくれる

「世のため、人のため」に生きること、「お互い様の気持ちで生きることなんだよね」
そんなことを言っていた

私も図書館で借りようと予約をする
本当は二週間が本を借りる限度のはずなのに、一ヶ月近く経つのに連絡が来ない

前の人が返していないんだろう
黙って待っていた

出掛けようと思った時に連絡が入る
「本の用意が出来ました、一週間以内に取りに来てください」
メールからいつもの無機質な字が並ぶ

こんなに待たされたのだからと、すっ飛んで家を出る
坂の下にある図書館へ

図書館には本を借りたい人が並んでいた
私の前には本を持った人がウロウロしてる
借りるのか、まだ本を探しているのか…
私は相変わらずせっかちで図書館の職員さんに声を掛けると
「こちらの人がさきだから」

ちょっとバツが悪いけど…仕方がない

私の借りた本はマンガ版ではない

初っ端から「一億円の札束」を「しょせんは10キロの紙切れや」と積み上げたお札をポンと叩く

主人公でなくても驚いた
お札は古くなると燃やされるという

初めて知った

経済のことなんて全く知らずにいる
以前に簡単な経済学というような本を買ったことがあるけれど、本棚の中に紛れ込んでいる

学びたいことはいっぱいあるはずなのに興味が湧かない

私にとっては遠いものなのか
お金についてと社会の仕組みを学びたいと思っても

中学生の主人公と社会人のお姉さんに向けてボスと呼ばれるお金持ちのおじいさんが分かり易く説明をしてくれている

この本ならば私なら二週間も有ればすぐに読めそうなのに

借りていた人はどうして一ヶ月近くも手元に置いていたのだろう

もう一度、読み直したいと思う本かも知れないけれど

延長出来るなら私もと思い、ネットで検索をしてみると…次にもう誰かの予約が入っている

まだまだ焦らなくてもいいけれど
読んだら図書館に返さないと

きっと前に借りた人が読み切れなくて、また借りようと予約を入れたに違いないのかな





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