カラー図説 生命の大進化40億年史 古生代編 生命はいかに誕生し、多様化したのか (土屋 健)
いつも利用している図書館の返却本の棚で目についたので、思わず手に取った一冊です。
私自身、もともと「生物の進化」にはとても関心があり、これまでも「初心者向けの解説書」をいくつか読んだことがあります。
もちろん、そのメカニズムを完璧に理解できたとは到底言えないのですが、目の前に現存する “進化の証跡” には心底驚かされます。
本書は、約40億年前、地球に生命が誕生してからの進化の歩みを、豊富なカラー図版を示しつつ紹介した「3部作(古生代編・中生代編・新生代編)」の第1作目です。
第1章 はじまりの時代 先カンブリア時代
第2章 爆発的進化の時代 カンブリア紀
第3章 先駆者たちの時代 オルドビス紀・シルル紀
第4章 革命の時代 デボン紀
第5章 終焉の時代 石炭紀・ペルム紀
という目次を眺めるだけでもワクワクが止まりません。
さて、著者の土屋健さんは、科学雑誌「Newton」記者を経て独立されたサイエンスライター。それゆえ、専門家による学術的な解説とは一味違う明快な語り口が非常に魅力的でした。
それらの解説の中から特に私の印象に残ったところをいくつか書き留めておきましょう。
まずは、約5億3900万年前にはじまり “爆発的進化の時代” といわれる「カンブリア紀」の解説から、“「眼の誕生」が進化に与えた意義” に言及しているくだりです。
(p99より引用) この眼の誕生こそが、カンブリア紀における進化を決定づけたとする説がある。
その仮説は、イギリスの動物学者、アンドリュー・パーカーが1990年代末に提唱したもので、「光スイッチ説」と呼ばれている。
光スイッチ説では、動物が眼をもったことが進化を加速させたとしている。
眼をもつことで、捕食者は獲物の位置や弱点を正確に捉えることができるようになり、被捕食者は、装甲を備えたりトゲなどの武装を持ったりしたものが有利となる。こうした “軍拡競争” のようなサイクルが、進化の多様性とスピードを劇的に加速させたというのです。
さらに、その過程で「防御のための硬組織」をもつものがアドバンテージを持つことから、化石として後世に残りやすくなったという副次的効果ももたらし、当時の様子を現代に伝える重要な鍵となったのです。
そして、大きく時は下り約3億5900万年前、古生代第5の「紀」である「石炭紀」が始まります。
この紀には、陸上に大森林が拡がり、無脊椎動物である昆虫が大型化しました。その中で、脊椎動物もまた陸上における繁栄に向けて大きな一歩を踏み出しました。
(p276より引用) 羊膜卵、つまり、殻を備えた卵を産むようになったことで、動物は水際から離れることが可能となり、より内陸における生活ができるようになった。ヒロノムスは、そんな有羊膜類の最初期を代表する動物とされている。そして、ヒロノムスは、最初期の爬虫類でもあった。
この「殻のある卵」の登場こそが、のちの巨大爬虫類、すなわち「恐竜」へと続く道を切り拓いたのです。
次は、いよいよ “恐竜の世紀”、「中生代編」ですね。
