雑草との戦いが始まる季節|草取り道具にも特許がある
【稼ぐ経営者のための知的財産情報】
平成23年より桑名市で特許事務所を開業しております。
特許・意匠・商標の出願をお考えなら坂岡特許事務所にお任せ下さい!
弁理士の坂岡範穗(さかおかのりお)です。
今回は、「雑草との戦いが始まる季節|草取り道具にも特許がある」をお伝えします。

1.雑草との戦いが始まる季節です
暖かくなってきましたね。
この時期になると、一気に増えてくるのが雑草です。
数日放置しただけで、「昨日まで小さかった草が、急に伸びている」ということもあります。
私も自宅の庭や事務所の空き地の管理で苦労していますが、草取り道具の特許を調べてみると、意外と面白いものがあります。
今回は、「土に突き刺して、根っこから取るタイプ」の草取り道具を見てみます。
昔からある方式ですが、実はかなり工夫されています。
2.特許分類
さて、いつものように特許分類を特定していきます。
【A01B 1/16】
A 生活必需品
A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業
A01B 農業または林業における土作業;農業機械または器具の部品,細部または附属具一般装置に転換できる,または土作業*以下省略*
A01B 1/00 手作業具(芝生の縁切り取り具A01G3/06)
A01B 1/16 ・雑草引抜き具
上記の太字で表わしている特許分類で検索したところ、弊所契約データベースでは約160件の文献がヒットしました。
実は、こういった古くからある道具は、INPIT(独立行政法人工業所有権情報・研修館)が運営する特許情報プラットフォームの方が、昭和初期とか明治時代とかの古い文献もヒットして件数が多くなります。
しかし、検索には有料データベースの方が便利なので、いつもはこちらを使っています。
3.抽出した文献
(1)昔ながらの“二股フォーク”
昭和57年公開の実用新案「強力除草フォークの構造(実公昭57-31681¹)」では、二股のフォーク1を土に突き刺し、てこ板4を使って雑草を抜く構造が提案されています。

図面を見ると非常に分かりやすく、「なるほど、こうやって抜くのか」と直感的に理解できます。
指を地面にぶつけないよう、突片6も付いています。
昔の発明は、構造がシンプルで面白いですね。
(2)水田用はさらに過酷
特許第2832313号²「水田除草器」では、雑草を土中に押し込み、根を折りながら処理する構造が提案されています。
確実に雑草を押し込むために、先端が鋭いギザギザになっています。
【図1】

【図3】

しかも、この特許、従来の四つん這い作業は、「腰や手に負担がかかる重労働」である点を問題視し、立ったまま効率良く除草できることを強く意識しています。
雑草との戦いは、昔から重労働だったことが分かります。
(3)最近の草取り道具はかなり洗練されている
特許第5305369号³「除草具」では、複数の針をV字状に配置し、雑草の根元に突き刺して、親指で押さえながら引き抜く構造が提案されています。
【図1】

【図4】

【図5】

しかも、
・差し込みやすい
・根が引っ掛かりやすい
・土が付きにくい
・周囲の芝を傷めにくい
など、かなり実用性が考えられています。
雑草を引き抜きやすくするための突起16がいくつも設けられていますね。
単純に見える道具でも、実際にはかなり試行錯誤されていることが分かります。
(4)「土が付かない」も重要
さらに、特許第5553930号⁴「草取り器」では、地中深くまで伸びる根に対応するため、棒状部材の表面に溝を形成し、土が付きにくい構造が提案されています。
雑草を抜くと、土が大量に付いてくることがありますよね。
この特許では、「抜きやすさ」だけではなく、「土離れ」まで考えられています。
【図1】

【図3】

具体的には、地中に差し込まれる棒状部材14に、土壌付着を抑制する溝26を設けています。
この棒状部材14を地中に差し込んで、スギナ等の根が深い雑草も掘り起こすことができます。
4.草取り道具も進化している
草取りというと単純作業に見えますが、
・根をどう捕まえるか
・どうやって抜くか
・どうやって疲れを減らすか
・土をどう逃がすか
など、かなり細かい工夫があります。
雑草は毎年生えてきますが、草取り道具も毎年進化しているようです。
この記事が御社のご発展に寄与することを願っております。
引用
¹株式会社小山鉄工所,強力除草フォークの構造,実公昭57-31681.
²山内 哲治,水田除草器,特許第2832313号.
³秋野 芳隆,除草具,特許第5305369号.
⁴株式会社渡城造園,草取り器,特許第5553930号.
坂岡特許事務所 弁理士 坂岡範穗(さかおかのりお)
【特許・意匠・商標の出願をお考えの中小企業様へ】
坂岡特許事務所では、製造業の特許や、店舗の商標登録などに関するご相談を対面・オンラインで承っております。
「noteを読んだ」とお伝えいただければスムーズです。
▼公式ホームページはこちら https://www.sakaoka.jp/
▼お問い合わせ・無料相談予約 https://www.sakaoka.jp/contact
(弊所へご依頼予定の出願に関する初回相談は無料です)


