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“昔から使っている”は危険?昭和から続く商標の落とし穴

【稼ぐ経営者のための知的財産情報】
 平成23年より桑名市で特許事務所を開業しております。
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 弁理士の坂岡範穗(さかおかのりお)です。
 今回は、「“昔から使っている”は危険?昭和から続く商標の落とし穴」をお伝えします。

1.4月29日は「昭和の日」


 世間は、ゴールデンウイークに入りましたね。
 そんな連休なんて関係ないよ、といわれる人もいらっしゃいますが、とりあえずは連休のスタートです。
 
 さて、表題にもある「昭和の日」、これは昭和天皇の誕生日ですね。
 私の若い頃は「天皇誕生日」として祝日になっていました。
 昭和天皇の崩御に伴い祝日ではなくなるはずが、名前を変えて祝日として残りました。
 
 その昭和が終わってから既に約38年が経とうとしています。
 つまり、昭和から事業を営んでいるお店、会社は歴史がある事業者ということになり、「昔から続いているもの」の価値を改めて感じます。
 
 もちろん、事業者ですので屋号や商品名も使用されていると思われます。
 ただ、その“昔から使っている名前”、他人に権利を取られている可能性があります。 

2.「長年使っている=安心」ではない理由


 今さらですが、屋号や商品名に使用されている「商標」は、基本的に「使っている」ではなく「登録している」ことで権利が守られます。
 
 理由は、商標は創作物でなく選択物だからです。
 例外はあるのですが、「先にうちが使っていた」という理屈は通じません。
 先に出願して登録された方が権利者になれるのです。
 
 そして、権利者以外が許諾なしに登録商標と同一又は類似の範囲で使用すると、商標権侵害となります。 

3.近年は特に危険


 それでも昔はけっこう緩かったです。
 中小企業の場合、仮に、東京の会社が商標権を持っていて、地方で侵害されても発見のしようがなかったからです。
 
 つまり、事業の規模が大きくなければ、他人の商標権を侵害しても、トラブルになりにくかったのです。
 
 (1)しかし、今は違います。
 小規模企業であっても、SNSとかにアップして、ある程度の認知度を得ることができます。
 
 するとどうなるか?
 インターネットで検索すると、商標権者である自分が下位に表示されて、侵害者が上位に表示されることが普通に起こり得るのです。
 
 すると、商標権者としては面白くありません。
 仮に商圏が異なって、自分の商売に影響しなくとも、侵害者を排除してきます。
 
 実際に、美容系のお店で全く商圏が異なるのに、商標権侵害と言われて店名変更を余儀なくされ、看板・ホームページ・名刺をすべて作り直すことになった例もあります。
 
 (2)他にも、会社を退職した人が後になって、元いた会社の商標を出願して登録した事例もあります。
 これは、基本的に救済されません。
 理由は、元勤務先には、商標登録出願する機会が十分にあったのにそれを怠っていたからです。
 ですので、商標権者である元従業員との交渉でしか解決しません。
 
 結果、代々続いてきた屋号を諦めることも起こり得ます。
 

4.どう対応すれば良い?


 もし、自社の屋号等を商標登録していないのなら、すぐにでも動く方がよいと思います。
 但し、商標登録されない屋号、商標登録しても意味がない屋号等もあります。
 「うちの場合はどうなのか?」と気になった場合は、専門家である弁理士に相談されることをお勧めします。
 
 先ほども書きましたが、基本的に商標は早い者勝ちです。
 実際に弊所でも出願日が10日の差で勝った事例があります。 

5.まとめ


 いかがでしょうか。
 昭和から続く歴史というか価値はその企業の強みとなります。
 但し、「守られてこそ価値」になるのです。
 
 長く続いてきた名前ほど、大切に守るべき資産です。
 「昔から使っているから大丈夫」と思っている今が、一度見直すタイミングかもしれませんね。
 
 この記事が御社のご発展に寄与することを願っております。
 
坂岡特許事務所 弁理士 坂岡範穗(さかおかのりお)
 
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